国際野球の流れが急速に変化している。
自ら変わっているわけではない。特定の集団の意図によって変化していると見るのが正しい。
メジャーリーグ(MLB)が主導していた国際野球の流れに、日本が激しい挑戦状を叩きつけた格好だ。
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韓国野球もしっかりと精神を正して、その流れを主導する方法を見つける必要がある。野球というコンテンツがまともな産業として定着するために必要な動力だからだ。
世界野球ソフトボール連盟(WBSC)が主管するプレミア12は、日本野球機構(NPB)の主導で作られた大会だ。
NPBは、MLBが“野球の世界化”を名分としてオーストラリアに続いて中国大陸まで侵食し、ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)を媒介としてMLB中継権の販売と有望株の独占など実質的な利益を見ていることに反発して、資金難に苦しむWBSCを利用してプレミア12を創設した。
WBCの第1回、第2回優勝に加え、スポンサー文化の発展した日本企業の積極的な参加もあったが、“最大のスポンサー”という立場で実質的な利益を得るのはMLBであったため、日本が快く思えないのは仕方がない。
侍ジャパンというブランドを作り、国家対抗戦を拡大するという構想は、日本代表レベルであればアメリカ代表とも戦えるという自信に基づいている。
MLBとNPBが国際野球市場の覇権をめぐり、マネーゲームを繰り広げる理由は自明だ。グローバルスタンダードの確立で先頭に立ち、主導権を確保したいという意図である。中継権の販売や有望株の確保などの短期的な利益だけでなく、世界最大の市場である中国を開拓するための意図が隠れている。
アメリカは台湾とオーストラリアを蚕食したし、中国代表チームをフルサポートする方法で市場を掴む機会をうかがっている。日本はアメリカが侵入した台湾市場をある程度奪ったが、やはり中国市場進出のためにさまざまな方法を模索している。過去、韓国、日本、台湾のプロリーグ王者と中国代表が対戦するアジアシリーズなどは、その一環だろう。
そんな流れのなかで、韓国野球委員会(KBO)が傍観者に甘んじれば、淘汰される可能性がある。危機に陥った韓国野球を再生する道は、アジア市場の主導権を握るしかない。国内需要だけでは産業化どころか、現状維持を心配することになる。
KBOも危機感を持っている。政治的問題で遅れをとっているが、着実に中国と交渉しながらパートナーとしての地位を固めるために東奔西走している。中国がプロリーグを再スタートするとき、審判団を送って教育する事業を行ったことも、その一環だ。
野球の産業化は、KBOチョン・ウンチャン総裁の宿願であり、最大の公約のひとつだ。しかし任期折り返しを迎えた時点で、これといった動きが見つからない。
中韓の政治力学を考慮した対応も必要であり、アメリカと日本が先行して獲得したグローバル市場で突破口をどのように見つけるかに頭を悩ませるべき時点だ。
ソウルの高尺(コチョク)スカイドームで開催中のプレミア12が興行的に失敗していることは、韓国野球の危機が思ったより深刻であることを端的に表わしている。
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