その負担を投手陣の最古参キム・グァンヒョン(金廣鉉/34、SSGランダース)が背負うことになった。
韓国率いるイ・ガンチョル監督はオーストラリア戦終了後、日本戦の先発にキム・グァンヒョンを予告した背景について、「延長戦まで行けば投入していたかもしれない。だが、7回以降から、キム・グァンヒョンを明日出さなければならないと思った。今日の試合も見たが、序盤で引っ張っていかなければならない投手はベテランだ。相手は(キム・グァンヒョンを)知っているが、経験のある投手が上手く引っ張ってくれることを願う気持ちだ」と伝えた。
韓国の現役プロ野球選手で唯一、“日本キラー”の系譜を継ぐキム・グァンヒョンだ。
2008年北京五輪の“日韓戦”では予選で5.1回1失点、準決勝で8回2失点と好投し、いずれの試合も韓国を勝利に導いたことから、自身も“日本キラー”に仲間入りした。
しかし、その後の“日韓戦”の成績は芳しくない。北京五輪の良い思い出のまま出場した2009年WBCでは、1次リーグの日本戦で1.1回7被安打8失点と崩壊。結局、試合も2-14の7回コールドで敗れた。直近では2015年WBSCプレミア12開幕戦で大谷翔平(28、ロサンゼルス・エンゼルス)とともに先発登板するも、2.2回2失点と残念な気持ちを残した。
若手の多い今大会の投手陣で、“日韓戦”の重圧や雰囲気、プレッシャーを十分に説明できるのはキム・グァンヒョンだけだ。投手陣の主軸は若手に移ったとはいえ、依然としてキム・グァンヒョンの存在感とオーラは無視できない。日本メディアもキム・グァンヒョンの存在を警戒している。
キム・グァンヒョンは東京入り後初の練習日だった去る8日、報道陣との取材の場で“日韓戦”について問われ、「僕が“韓日戦”に出ましょうか?」と冗談交じりに答えた。
その後、「僕が運良くずっと“韓日戦”で登板機会を与えられてきたが、上手く投げたときもあれば投げられないときもあった」とし、「もし“韓日戦”に再び出られるのであれば最善を尽くして投げたい。まだ確定したことは何もないので、予選で会った後、決勝でまた日本と戦いたい。そのときに投げたい」と強調していた。
しかし、予想よりはるかに早い1次ラウンドの舞台で、キム・グァンヒョンの“韓日戦”登板が予告された。WBCの舞台で14年前の痛みを雪辱できる機会だ。
キム・グァンヒョンとともに先発登板する相手にはダルビッシュ有(36、サンディエゴ・パドレス)が確定した。
ダルビッシュと韓国が対戦したのも、やはり14年前の2009年WBCだった。当時はある程度ダルビッシュを攻略できた。
1次ラウンドの順位決定戦では、ダルビッシュは中継ぎで登板し、1回1被安打1四球3奪三振の無失点を記録した。ただ、2次ラウンド第2戦では5回4被安打1四球7奪三振の3失点(自責点2)を記録し、敗戦投手となった。
そして決勝戦では、韓国が1点ビハインドの9回にダルビッシュを攻略して同点に追いつき、ダルビッシュにブロンセーブをもたらした。しかし延長10回に韓国が失点すると、ダルビッシュはブロンセーブを克服して優勝確定投手となった。
絶体絶命の危機的状況。韓国打線がダルビッシュを攻略することも重要だが、キム・グァンヒョンがマウンドでどれだけ粘れるかが最大のポイントだ。キム・グァンヒョンとしてはとにかく粘り強く投げなければならない。
過去の痛みを癒し、WBC脱落危機という絶体絶命の状況から韓国を救うことはできるのだろうか。キム・グァンヒョンの背中にまたしても重い荷物が乗せられた。
(記事提供=OSEN)