今夜の“韓日戦”も心配だ。しかし、試合以上に心配なのはこの先の韓国代表の戦力だ。世界各国のレベルは上がっているのに、韓国はその場に立ち止まっているからだ。
オーストラリアの左腕先発ジャック・オラフリン(22)は初回から150kmに迫る球を投げた。打ちにくい球だった。しかし、野球をする多くの国において150kmはもはや剛速球ではない。
だが、我々はまだ145kmにとどまっている。150km以上を投げる投手は多くない。他国の視点から見て、韓国の投手が投げる145kmは平凡な球だ。
言い換えれば、我々のマウンドは強力ではない。KBOリーグには昨季最優秀防御率、奪三振王、勝利数2位で“国内最高の投手”と呼ばれるアン・ウジン(23、キウム・ヒーローズ)はいるが、彼は学生時代のいじめ問題によって代表に選ばれなかった。
打線も揺らいでいる。カン・ベクホ(23、KTウィズ)は衝撃的なアウト劇で袋叩きに遭っている。一言で「また事故を起こした」という雰囲気だ。
ただ、思うにあのプレーは事故ではない。興奮しすぎた選手個人のテンションの問題だ。実際、テンションのような選手の性向分析は事前にチェックしなければならない。戦力分析は相手選手や試合だけを分析するのではない。
イ・ジョンフ(24、キウム・ヒーローズ)も難しい状況にある。新たに変えたフォームで大会に臨んでいるが、新フォームになれるには適応の時間が必要だ。ただ、彼のフォームはまだ完璧ではない。
しかし、エースの不在と中心打者のフォーム矯正はすでに起きたこと。今さら後戻りはできない。
かといって精神論を掲げるのも後進的だ。野球は精神力でするものではない。太極マーク(韓国国旗)をつけたからといってスーパーパワーは生まれない。結局、野球は実力勝負だ。また、“変数”を最大限減らしてこそ勝つことができる。
選手たちを責めるつもりはない。指摘するより、今は信じて任せなければならない。野球は“変数”が最も多い種目だ。だからこそ、結果論的に最も言いやすいのが野球というスポーツだ。
野球は“変数”が多く予測不可能。だからこそ、“韓日戦”でも何が起こるかわからない。
“韓日戦”前に人員が補充されることはない。すでに選んだ選手を外すこともできない。カン・ベクホを非難したからと言って、彼の本質が突然変わることもない。
逆に、カン・ベクホのテンションが良い影響力を発揮することもできる。むしろそのような“変数”を期待してみたい。
カン・ベクホはオーストラリア戦で三振になったわけではない。安打を打ち、喜んでいる間にベースから足を離してしまったがためにアウトになったのだ。
カン・ベクホに力をもたらそう。彼が生き返れば、窮地に追い込まれた韓国を蘇らせることもできる。もう諦めるのではなく、すべての選手のテンションをもっと上げよう。
「いつまでキム・グァンヒョン、ヤン・ヒョンジョンなんだ」という嘆きも結果論的な見方だが、まだ大会は終わっていない。
ただ、韓国は今大会を機に世界の野球を直視しなければならない。同時に、自国の野球レベルの現実も直視する必要がある。
韓国の野球は未だに足踏み状態だ。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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