関西選抜がデンソーカップ制覇、「関西から世界へ行け」と石間寛人監督

2023年03月04日 サッカー #玉昌浩

3月4日に、ひたちなか市総合運動公園陸上競技場にて、関西選抜と東海選抜による「第37回デンソーカップチャレンジサッカー茨城大会」決勝戦が行われた。

「単純にクオリティが高い。自分たちも個の技術は、まあまああるなと思っていたので、がっぷり四つで行ったが、そのもう一個上だった」

東海選抜を率いた山西尊裕監督がこう評価するほど、個の技術の高さで違いを見せた関西選抜が3-1で勝利し、優勝を果たした。

この大会の最優秀選手(MVP)に与えられる宇野勝賞を受賞したのは、関西選抜の美藤倫。決勝戦ではボランチで先発し、後半36分からは左サイドバックに回った。

関西選抜の石間寛人監督は「今日は一番彼の持ち味が出た試合だった」とし、「最後はサイドバックもやってもらったが、本来はボランチであれだけ輝ける選手。つなぎのところもかなりスキルアップしていると、今日のゲームでも感じた。ボール奪うところの能力が非常に高いので、また嫌な選手になったという印象がある」と称えた。

昨年のワールドカップでは、大学サッカー出身の選手が注目されたが、全員が関東大学サッカーリーグ出身で、関西学生リーグ出身は一人もいなかった。そこで、「一発目のミーティングで、“関西から世界へ行け”ということを提示した」という石間監督。

「当然、優勝をしないといけないし、個人の目標としてはデンソーカップを機に、必ず日本代表に食い込んで行け」と。今日も最後に伝えたのは、「来年のパリ五輪や、その先のワールドカップに絡んで行かないといけない」ということだった。

その可能性がある選手として二人を挙げた。

「MVPを取った美藤はボールを奪う技術が高いし、強度の部分で言ったら関東にも全く負けていないと思う。ボールを扱う技術がもっと伸びてくると、食い込んでくると思う」

「ディフェンスの髙橋直也は足元の技術が目立ちがちだが、守備の強度も非常に上がってきていて面白い」

関東と関西のスタイルの違いについては、こう説明する。

「関東のような強度の高さというのは間違いなく必要だと思うが、相手を剥がして行くのが関西のスタイルだと思う。それで関東に立ち向かって行かないといけないし、それを今回の大会では証明したかった。このスタイルで関東に勝って行くのが、関西として一つ大事なのかなと思う」

さらに、「パッと見て、めっちゃ上手いな、見ていて楽しいな、美しいな、というサッカーを是非やって欲しいというのが、個人的な思いではある。関西には上手い選手が非常に多いので、そういうスタイルであるべきかなと。それが関西らしさだと思う」

ただし、「スタイルとしての、美しさ、華麗さは大事だと思うが、個の部分でどれだけストロングポイントがあって、そこで他の選手たちを上回れるか。組織としては、そういう美しさがあるなかでも、強烈な個がないと、代表には食い込んで行けない。各チームで個を磨いて、そういうところに入って行ってもらいたい」と期待を込めた。

(文=玉 昌浩)

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