高橋インストラクターはイ・スンヨプ監督の1歳年上と年齢も近い。
「イ・スンヨプ監督とは巨人時代から親しく過ごしていました。あまりにも紳士的な人で、仲間を気分よくしてくれる選手なので、良い指導者にもなれると思っていました。私は試合が上手くいかないと気持ちが昂ることもありましたが、イ・スンヨプ監督はどんな状況でも黙々とバットを振り、切歯腐心していました。ほかの人に頼まれても来なかったでしょう」
任務は左投手の育成だ。高橋インストラクターはチェ・スンヨン(21)とイ・ビョンホン(19)の2人の若手左腕の名前を挙げると、「彼らを注意深く見てほしいという要請を(監督から)受けました。初日なので全体的な動きを見守り、練習の雰囲気などを把握するために観察しています」と明かした。
実際、高橋インストラクターはブルペンとグラウンドを行き来しながら、投手たちの動きを注視していた。「まずは体をどう使っているのか、投手がどんな長所を持っているのかを把握することに集中しています。2~3日ほどチェックしなければ流れはわかりません。どんな球を投げる投手がいるのか気になって疲れているのかもしれません」と笑顔を見せる。
現役時代はNPBで79勝73敗の防御率3.79を記録し、メッツで迎えたメジャー初年度は10勝6敗の防御率3.61と華やかなデビューを飾った。
球速よりも制球で打者を料理した彼は、「アメリカも日本もスピードを強調する時代です」としつつも、「私が制球型投手だからか、精巧なコントロールを前面に出す投手を見るのが楽しいんです」と話した。
高橋インストラクターの合流には左投手たちも興味深い表情を浮かべていた。チェ・スンヨンは「チェンジアップの名手と呼ばれていたという話を聞きました。時間があるときに、チェンジアップをどう投げるのか、試合をコントロールするコツは何なのかを学びたいです」と意欲を示した。
現役引退後はスポーツ紙の野球評論家や野球中継の解説などを経て、昨年に巨人の臨時投手コーチを務めた高橋インストラクターだが、KBOの球団を指導するのは今回が人生初だ。
そのため、「選手が持つ長所を観察し、それを極大化する方法を探すことが自分の役割です」としつつも、「斗山には素晴らしい投手コーチが多いので、選手始動よりもメンタル面や試合運営などの心理的要領などを対話で知らせていくことが目標です」と説明した。
同日もディラン・ファイル(26)のブルペン投球を注意深くチェックし、短く対話もしていた。「ディランは制球がかなり良かった。四球で自滅することは多くないと思います」と展望した高橋インストラクターは、「低いストライクゾーンをどのように攻略するか、打者ごとに配球をどのように変えるのかによって変数はあると思いますが、概して上手く投げると思います」と期待を寄せた。
「素晴らしい投手コーチが3人もいらっしゃるので、私が前に出て選手を指導することはありません」と謙遜した高橋インストラクターは、「投球するときに自分の身体をどう使うかも重要ですが、結局は自分の身体を活用して効率的な投球をすることが優先です。心の扉を開けて、投手たちが近づいてくれるのを待っています」と強調した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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