昨年8月にフランス2部降格のボルドーを退団し、イングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレストへ移籍。同時に、フォレストと同じオーナーがいるギリシャのオリンピアコスへレンタル加入した。
しかし、ギリシャでは公式戦12試合出場で1ゴールも決められなかった。リーグ戦に至っては昨年10月の途中出場を最後にベンチ入りすらできず、事実上の戦力外状態だった。
結局、当初は1シーズンの予定だったレンタル契約も半年で解約となったが、ファン・ウィジョはレンタル元のフォレストに復帰したとしても、公式戦に出場できない状況だった。
というのも、国際サッカー連盟(FIFA)の規定では、選手は1シーズンで最大3チームまで選手登録ができるものの、公式戦出場ができるのは2チームのみと定められているからだ。
ただし、秋春制を採用する欧州と異なる日程を敷くリーグであればプレーができるため、春秋制でシーズンが行われる韓国Kリーグや米メジャーリーグサッカー(MLS)、かつてガンバ大阪時代に経験した日本のJリーグなど、各国リーグの一部クラブから関心が集まった。
そのなかで、最も積極的にファン・ウィジョと接触したのがFCソウルだった。
ファン・ウィジョとしても良い選択だ。すでにKリーグを経験しているため、リーグへの適応に時間を要することはない。
また、プロデビューした2013年当時に城南一和天馬(ソンナム・イルファ・チョンマ/現・城南FC)の指揮官を務めたアン・イクス監督が、現在のFCソウルを率いている。かつて師弟の縁を結んだ恩師の存在が、ファン・ウィジョの6年ぶりKリーグ復帰を後押しした。
「未来について多くのことを考えました」と口を開いたファン・ウィジョは、「アメリカなど複数からオファーがあり悩みましたが、FCソウルに来ることが、再び欧州に出て良い姿を見せるのに役立つと考えました」と伝えた。
オリンピアコスでチームメイトだった韓国代表MFファン・インボム(26)のアドバイスも一役買った。ファン・インボムは昨年、ロシアのウクライナ侵攻の影響でプレーの場を探していた当時、FCソウルに3カ月間という短期契約でレンタル加入し、現在のオリンピアコスを通じて欧州に再進出した経緯がある。
「インボムを通じてFCソウルというチームに接しました。また、ソウルワールドカップ競技場で多くのファンの方々の前でプレーするということだけでも、モチベーションになると思います」と、ファン・ウィジョは移籍の経緯を明かした。
FCソウルが前日に公開した映像を見ると、アン監督はファン・ウィジョとの久しぶりの再会を喜んでいる様子だった。
ファン・ウィジョは「ルーキー時代を思い出しました。監督があまりに恐ろしい方だということは皆ご存じでしょう」と笑いつつも、「ですが、いつも良い言葉、暖かい言葉をかけてくれます。人間的にも学ぶべき点が多い方です」と尊敬の念を示した。
そして、「6カ月間、ルーキーの気持ちでプレーしなければならないと思っています」とし、「日本でコンディションを最大限引き上げなければなりません。できるだけ多くのゴールを決めてチームに貢献したいです」と意気込みを伝えた。
以下、ファン・ウィジョとの一問一答。