「天野が私に嘘をついて全北現代に行った。蔚山現代のすべてを尊重しなかった」
韓国Kリーグ1(1部)の蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)を率いるホン・ミョンボ(洪明甫)監督が、“因縁のライバル”全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースに移籍した元日本代表MF天野純(31)を厳しく批判した。
ホン監督は1月11日、蔚山現代のクラブハウスで報道陣と会い、「天野は私が会った日本人のなかで最悪」と強く言及するとともに、「我々の選手とクラブを尊重しなかった」と伝えた。
Jリーグの横浜F・マリノスで長年活躍した天野は昨シーズン、レンタル移籍で蔚山現代に加入し転換点を描いた。左利きの攻撃的MFである彼は、ホン監督の信頼を得て主力として活躍した。特にシーズン序盤、ストライカー不在の問題を抱えた蔚山現代がゼロトップを稼働した際には戦術のキーマンとして存在感を示した。
また、ハンガリー代表FWマルティン・アダム(28)やジョージア代表MFヴァレリ・カザイシュヴィリ(29)、ブラジル人FWレオナルド(25)など攻撃陣の外国人選手の活躍が目立ったのは、天野の優れた攻守バランスと質の高いパスが土台にあったからだった。天野はリーグ戦で30試合に出場し、9ゴール1アシストを記録。蔚山現代の17年ぶりKリーグ制覇に大きく貢献した。
ところが、シーズン終了後に予想外のニュースが伝えられた。天野がほかでもない、蔚山現代と長年優勝争いを繰り広げる全北現代と契約を結んだのだ。
全北現代を率いるキム・サンシク監督は日本人MF邦本宜裕(25、カーザ・ピアAC)が退団以降、彼に代わる新たなアジア枠の選手を探してきたなか、天野を獲得ターゲットの第1位に据えた。早々からビデオミーティングなどを通じて積極的なラブコールを繰り広げた。
蔚山現代も全北現代も、レンタル元の横浜FMに支給しようとしたレンタル料は同じ15万ドルだった。ただ、全北現代が蔚山現代より年俸10万ドルを多く天野に支払った。そして彼は、自身の価値をより高く評価した全北現代のユニホームを着用することに決めた。
ホン監督は昨シーズンが終了した直後、天野がオフで日本に帰る前に自身と交わした“残留確約”を一方的に破ったことに憤りを隠さなかった。
ホン監督は「(かつて蔚山現代でプレーした)イ・ドンジュンが全北現代に行くのは仕方ない面がある。だが、天野は違う。プロはお金によって動くこともあるが、私に“(お金は)構わないから残留する”と話した。私はクラブ側に(横浜FMに)レンタル料を多く払えるのであれば準備しようと言ったが、(天野は何の話もなく)全北現代に行った」と伝えた。
また、「最初から率直に話していれば、我々のチームに貢献してくれただけに、いつでも送り出すことができた。我々のチームに来て成長した部分もあると思うが、お金のためにこのようなやり方でチームを離れてしまうのは違うと思う」と強調した。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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