「ひとつ、残念なことがあります」
韓国女子サッカーの看板スターであり、韓国女子代表の絶対的エースであるMFチ・ソヨン(31)が、WKリーグに向けて愛情のこもった苦言を伝えた。
欧州のトップレベルを長年経験した身として、母国の女子サッカー興行のための骨のある一言だった。
5月24日、WKリーグの水原(スウォン)FCウィメンはチ・ソヨンの獲得を発表。
これまで日本のINAC神戸レオネッサ、イングランドのチェルシーFCウィメンと海外で12年間プレーしてきたチ・ソヨンは、プロキャリアで初めて母国のリーグに挑戦することになった。
チ・ソヨンがWKリーグでプレーする最大の理由は、2023年7月にオーストラリアとニュージーランドで開催される女子ワールドカップにある。彼女は帰国当時、「最後になるかもしれないワールドカップに集中したかった」と話していた。
WKリーグ全体はもちろん、WKリーグでプレーする選手たちにとっても、チ・ソヨンがもたらす効果というのは計り知れない。スター選手の国内復帰は、クラブのみならずリーグの認知度に多大な影響を与える。
男子の水原FCが今季開幕前に獲得したFWイ・スンウ(24)が良い例だ。バルセロナ下部組織出身でかつては“韓国のメッシ”と呼ばれたイ・スンウの加入後、Kリーグでは彼の姿を一目見ようと駆け付けたサッカーファンがスタジアムを埋めている。
サッカー以外でも、プロ野球では米メジャーリーグで活躍したキム・グァンヒョン、バレーボールでは“女帝”と呼ばれるキム・ヨンギョンの国内復帰が大きな話題を集めた。
チ・ソヨン本人も、自身の加入で国内の女子サッカーにポジティブな効果がもたらされることを願っている。その一方で、現在のWKリーグが抱える問題点について冷静な分析もしている。
帰国当時、チ・ソヨンは「WKリーグは月曜と木曜の16時にキックオフします。曜日はもちろんですが、時間帯そのものが残念です。いくら試合を観たくても、その時間帯にファンが来られるかどうかが疑問です。これが一番残念な点です」と指摘した。
現在、WKリーグは毎週月曜、木曜の16時や18時に試合が行われる。週末でもない平日にスタジアムへ足を運ぶには曖昧な時間帯だ。
とあるサッカーファンもチ・ソヨンと同じ指摘をWKリーグに投げかけた。
「サッカーが好きな人なら当然残念に感じる部分だ。男子サッカーと同じ時間帯や、せめて20時にでもキックオフすればもっと楽に観に行けるのに…。自分は今、しばらく仕事を休んでいるので、それで最近何度か観戦に行くことができた。そうでなければ(観戦に行くという)考えさえしなかっただろう」
「チ・ソヨン選手がプレーするとなれば、試合を観に行こうとするファンは確実に増えるはずだ。それだけに、今の時間帯には残念な気持ちしかない」
WKリーグ、ひいては女子サッカーの発展のため、チ・ソヨンは積極的なファンサービスにも取り組む予定だ。
チ・ソヨンは「イングランドではファンと多くの時間を過ごす。試合後には一緒に写真を撮ったりして、同じ時間を共有する」と海外での経験を振り返り、「韓国でもそのような部分が活性化されることを願っている」と思いを伝えた。
なお、そんなWKリーグでは6人の日本人選手がプレー。チ・ソヨンが加わる水原FCウィメンにはMF田中萌(26)が在籍しており、そのほか、慶州韓国水力原子力に元なでしこジャパン(日本女子代表)MF田中明日菜(34)、昌寧WFCに元なでしこFW木龍七瀬(32)と元なでしこFW安本紗和子(31)、世宗スポーツTOTOにMF櫻本尚子(31)、華川KSPOにDF吉見夏稀(28)が在籍している。
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