元京都サンガのファン・ジンソンは現役引退後、どこで何をやっているのか

ドリブル、パス、キックが他の選手とは違った。その技術は高校1年生のとき、浦項の支援で経験したブラジル留学で作られたものではなかった。

彼は「サッカー選手だった父(実業サッカーのソウル銀行でプレー)から子供の頃に基礎を正しく学んだ」と話した。

そして優れた技術を持った“ファン・カカ”を完成させたのは、高校時代のキム・ビョンス監督だった。ファン・ジンソンは「攻撃的MFとしての動きやキック、選手のマーク、試合のバランスをとることなどを教えてくれたのがキム監督だった。プロ選手として成長するうえで、多くの影響を受けた」と明らかにした。

攻撃的な面で高い評価を受けたファン・ジンソンだが、自ら足りないと感じる部分もあった。

「当時もう少し守備にも頭を使って、タックルなども積極的にしていたらどうだったろうかと考える。あとあとやってみたら、それなりにできた。幼い頃から攻撃ばかりでなく、守備にも神経を使っていれば、もっと高いレベルに上がれたかもしれないと思う」と振り返った。

選手ではない指導者ファン・ジンソンとしての生活

ファン・ジンソンは現役を引退して、幼少年の指導者の道を選択した。エリート選手を育成するプロや学園ではなく、サッカー教室だ。サッカー教室の車も自ら運転して、子供たちとスキンシップをとっている。

彼は「子供たちに教えるのが自分に合うようだ。練習を終えて子供たちを送るとき、車の後ろに乗った子供たちを見ると、とてもかわいい。子供たちが僕を“コーチ”と呼ぶのだが、“コーチはファン・カカなんでしょ”と言われたりもする」と微笑んだ。

現役時代、サッカーの教育システムが整ったベルギーや日本などでプレーしたファン・ジンソンは、見て聞いたことを土台に子供たちを指導しようとしている。ファン・ジンソンのサッカー哲学は、バイエルン・ミュンヘンやマンチェスター・シティのように技術的に高いレベルを作るジョゼップ・グアルディオラ監督と同じだ。だからこそ基礎を重視する。

ファン・ジンソンは、「最近ソン・フンミンの父ソン・ウンジョン氏が強調する基礎に、僕も同意する。週末には小中学校のエリート選手たちのレッスンもあるのだが、どうすれば子供たちにもっと楽しく基礎を教えられるかと考えている。基礎も身につけて、ピッチでパフォーマンスを見せる部分も練習しなければならない。2つをすべて教えられるように研究中」と話した。

指導者となって3~4カ月のファン・ジンソンは、しばしば妻とテレビを観ながら、なりたい指導者像を話しているという。

彼は「成功した選手から“幼い頃に誰々からよく学んだ”といわれるような指導者になりたいと、(妻に)話した。僕が今教えている子供たちが中学、高校に上がって成人になって、指導者から“基礎がしっかりしている。君は小さい頃に誰から習ったんだ?”と聞かれたとき、“ファン・ジンソンコーチに学んだ”と言ってもらえたら、本当に胸がいっぱいになると思う」とし、「もしイ・ガンインのような選手が出てきたら、本当にうれしいだろう」と伝えた。

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