1月2日にフクダ電子アリーナにて、関東第一と矢板中央の「第100回全国高校サッカー選手権大会」3回戦が行われた。
関東第一は前半6分、肥田野蓮治のゴールで先制するも、前半24分に矢板中央にPKを与え、それを島﨑勝也が決められ同点とされる。しかし、関東第一は前半27分に若松歩のゴールで再びリードし、前半を折り返す。
後半2分、矢板中央・久野木力丸のクロスからのオウンゴールで追いつかれた関東第一は、後半38分、肥田野蓮治の縦パスから、本間凜が左足を振り抜き決勝ゴールを挙げ、試合は3-2で関東第一が勝利を収めた。
試合後、関東第一・小野貴裕監督は、「戦前から矢板中央さんのタフなスタイルはわかっていたので、我々がそこに屈しないようにすることと、我々自身が点数を取るために何が必要かということを子どもたちに伝えていた」とし、「大きなゲームの展開としては想定通り、思っていた通りのゲームになったが、細かいところでは、非常にタフな相手だったので、なかでやっている選手たちは苦しいゲームだったと思うが、最後までしっかりと気持ちを切らさずにやってくれたので、子どもたちには本当に感謝している」とたたえた。
「ジャンプなどは明らかに相手の方にアドバンテージがあった。足をつって外に出さないといけないというのは、戦術的な交代ではなくなってしまう。例えば、直接ゴールに来るシーンでは、フルパワーで飛ばないといけないが、ある程度そこで100%で競らなくてもいいところに関しては、体力を残す」ことを、ハーフタイムにも伝えたという。
「我々が戦術的なものを遂行できる体力と、そのメンバーをピッチのなかに残しておきたかったので、あまり早くカードを切りすぎてしまって、我々の立ち位置を失ってしまわないようにというのは心がけていた」と明かした。
一方の、矢板中央・高橋健二監督は、「今大会は厳しいブロックだった。今までは堅守速攻ということで、ゴール前で人数をかけて守って、そこからの攻撃ということが多かったが、今年は攻撃陣にも充実している選手がいたので、新しいチャレンジとして積極的に前線から行くというサッカーを取り入れた」と説明した。
「最後まで諦めない、局面局面で戦うサッカーを展開できた」と評価しつつも、「ただ、今日の3失点というのは負けた大きな原因だと思っている。そこを改善して行きたい」と語った。
また近年、大学経由でプロ選手が輩出していることについて、「高校サッカーで我々が彼らに伝えられる部分は、最後まで諦めない気持ちと球際。入学段階ではずば抜けた選手でなくても、矢板中央に来て、最後まで諦めない、球際や運動量を身につけて、そのなかで一人ひとりの個性を磨いて成長してもらいたいという思いで、トレーニングしている。型にはめ込まないで、自分たちの自由なトレーニングの時間を入れながらやっているので、そういうところが大学行ってから伸びている選手がいるのかなと思っている」と述べた。
(文=玉昌浩)
前へ
次へ