12月19日に国立競技場にて、浦和レッズと大分トリニータの「天皇杯JFA第101回全日本サッカー選手権大会」決勝が行われた。
試合は前半6分、右サイドを小泉佳穂、関根貴大がドリブルで仕掛けてつないだマイナスのボールから、江坂任が右足でゴールを決め、浦和レッズが先制。大分トリニータは後半45分、左サイドでのセットプレーを短くつなぎ、下田北斗が右足で上げたボールを、ペレイラが頭で押し込んで、同点とする。
試合は後半アディショナルタイム3分、右コーナーキックのクリアボールに、柴戸海がダイレクトで左足を振り抜く。ゴール前で「相手のディフェンダーよりも、しっかりとポジションを取っていた」という槙野智章が、頭でコースを変えたボールがゴールに吸い込まれる。このゴールが決勝点となり、2-1で浦和レッズが勝利を収め、天皇杯優勝を果たした。
試合後、槙野智章は「今も僕の携帯が鳴りやまない。全員が“やっぱり持ってるな”という話をする。確かに運や、そういうのを引き寄せる力は、もしかしたら人よりあるのかなと思う」と述べた。
「日頃から、特に今シーズン契約満了と言われた時から、自分がこのチームで最後にやらなくてはいけないことというのを、しっかりと整理して日々のトレーニングを行ってきた。チームの雰囲気を作ったり、終盤に守備固めで投入されることも数多くあったし、なかには前線にポジションをかえて点を取りに行くようなスタイルというのも今シーズンやってきた」と説明した。
さらに、「何を僕のなかでやってきたかというと、毎日の練習をとにかく100%でやるということ。チームの雰囲気をしっかりと自分が作り出すということ。練習が終わった後に、誰よりもシュート練習をして、子供のころからずっと思い続けてきた、ゴールを取りたいという思いを、この年になっても思い続けること、というのをひたすらやってきた成果だと思う」と明かした。
また、「準決勝で宇賀神選手がゴールを決めた時、日頃から努力する姿を見ていたので、努力は報われると思って、あの準決勝のゴールを見ていた。ただ、心のどこかで、俺が最後に持っていくという思いは少なからず持っていた。今日の試合に入るまでも、残り10分を槙野劇場にしたいと沸々と思っていた。有言実行を含めて、自分がそういう形で取れて、満足している」と語った。
(文=玉昌浩)
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