2022年カタールW杯出場を目指す韓国代表。彼らがクリアしなければならない課題の一つとして、DFキム・ヨングォン(31、ガンバ大阪)とDFキム・ミンジェ(24、フェネルバフチェ)への「依存度」を減らすことが挙げられる。
韓国を率いるパウロ・ベント監督は、9月に行われる2022年カタールW杯アジア最終予選2試合に向け招集したメンバー26人中、センターバックに5人の選手を招集した。
前述のキム・ヨングォン、キム・ミンジェのほか、DFパク・ジス(27、金泉尚武)、DFチョン・スンヒョン(27、金泉尚武)、DFクォン・ギョンウォン(30、城南FC)がそのメンバーだ。
去る6月の2次予選で計27人を招集した際には、4人のセンターバックが名を連ねた。それだけ、センターバックに対するベント監督の悩みが深いという意味だ。当時からはDFキム・ヨンビン(29、江原FC)がメンバーを外れ、チョン・スンヒョンとクォン・ギョンウォンが合流した。
ベント監督体制の韓国では、キム・ヨングォンとキム・ミンジェが不動のセンターバックだ。特別な理由がない限り、彼らが欠場することはない。
左利きで危険察知能力に優れるキム・ヨングォンと圧倒的なフィジカルで相手の攻撃をシャットダウンするキム・ミンジェは、現状における最適解と言える。キム・ヨングォンはAマッチ通算81試合の出場記録を誇り、DFラインのリーダーの役割も担う。
しかし、それだけ2人のシナジーが大きいだけに、どちらか1人が抜けただけでも一気に不安が露呈する。
2次予選最終戦のレバノン戦では、満足のいく守備は見られなかった。当時はキム・ミンジェが累積警告によって欠場したため、パク・ジスがキム・ヨングォンのパートナーを務めた。
ただ、これによって全体的な安定感が落ちた。実際、ペナルティボックスでの中途半端なボール処理をきっかけに、レバノンに先制となるゴールも決められた。その後、後半に2ゴールを決めて逆転勝利に成功したものの、どこかすっきりしない試合だった。
それ以前に行われた3月の“日韓戦”でもキム・ヨングォンとパク・ジスがコンビを組んだが、当時もキム・ミンジェ不在の影響が大きく、0-3の完敗を喫した。
現状、キム・ヨングォンとキム・ミンジェの代役を務めるのはパク・ジスだ。
パク・ジスは2018年11月にA代表デビューを飾った後、現在まで継続してメンバー入りを果たしている。Aマッチ出場記録は7試合だ。今シーズンは金泉尚武(キムチョン・サンム)入隊前にプレーした水原(スウォン)FCでやや振るわなかったものの、大会直前にオーバーエイジ枠で合流した東京五輪では復調の兆しを見せた。
入隊後、金泉尚武の主軸となったチョン・スンヒョンは、昨年11月以来約9カ月ぶりに代表復帰した。最後に出場したAマッチは2018年11月に行われた国際親善試合のウズベキスタン戦であるため、今回の最終予選で出場機会を得られれば、約3年ぶりのAマッチ出場となる。
そして、クォン・ギョンウォンもチョン・スンヒョン同様、約9カ月ぶりに代表に選ばれた。彼も貴重な左利きのセンターバックであるため、キム・ヨングォンのポジションを埋める代替者として挙げられている。
パク・ジス、チョン・スンヒョン、クォン・ギョンウォンはいずれもKリーグを代表するセンターバックだ。彼らには今回、熾烈なポジション争いを乗り越えることはもちろんのこと、キム・ヨングォンとキム・ミンジェへの依存度を減らさなければならない課題も与えられることになった。
なお、韓国は9月2日にソウルワールドカップ競技場でイラク、7日に水原ワールドカップ競技場でレバノンと対戦する予定だ。
前へ
次へ