ベテランに頼るしかない韓国代表の「サイドバック問題」…カタールW杯まで後継者は見つかるのか

「W杯レベルのサイドバックの競争力を確保せよ!」。これは、2022年カタールW杯アジア最終予選を控える韓国代表が未だ抱え続ける課題の一つだ。

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来る9月の最終予選2試合(2日イラク代表戦、7日レバノン代表戦)を戦う韓国代表メンバーが8月23日に発表されたなか、パウロ・ベント監督はサイドバックだけで5人の選手を招集した。

ホン・チョル(30、蔚山現代)、イ・キジェ(30、水原三星ブルーウィングス)、キム・ムンファン(26、ロサンゼルスFC)、イ・ヨン(34、全北現代モータース)のほか、MF登録のカン・サンウ(27、浦項スティーラース)もサイドバックでプレーすることができる。

ただ、去る6月の2次予選では今回の5人にキム・テファン(32、蔚山現代)を加えた計6人のサイドバックをベント監督は招集した。

代表において、サイドバックだけで5人以上も選手を選ぶことは珍しい。それだけ、ベント監督が頭を悩ませているポジションと言う意味だ。

後継者が育たないサイドバック

ベント監督は2018年8月に韓国代表指揮官に就任した当初からサイドからのビルドアップを掲げ、サイドバックの選手を戦術の中核に据えてきた。

しかし、ベント監督の期待ほどサイドバックの有望株が成長できず、今もベテランに依存する傾向が続いている。それを顕著に表すのが、2度のW杯出場(2014年ブラジル大会、2018年ロシア大会)を経験した1986年生まれのイ・ヨンの招集だ。

ベント監督(左)と話を交わすイ・ヨン

韓国の数え年で今年36歳になるイ・ヨンは、3年前のロシア大会が現役最後のワールドカップになるという見方が大半だった。機動力が求められるポジションの特性上、30代後半に迫った彼の年齢を考慮すれば、2022年のカタール大会に出場することは難しいと見られていた。

実際、ベント監督も就任当初こそイ・ヨンを招集していたものの、2019年11月のW杯2次予選以降はしばらくイ・ヨンを招集しなかった。そして、代わりにキム・ムンファンやユ・ジョンギュ(23、FCソウル)、キム・テファンらを重用したが、満足できるレベルになかったからか、今年6月から再びイ・ヨンを代表に呼んでいる。

ほかでは、ロシア大会を経験した左サイドバックのホン・チョルが、今年3月の“日韓戦”に負傷を抱えた状態で出場したことがあった。これまで主力だったキム・ジンス(29、全北現代モータース)が負傷していた影響もあるが、それほど信頼できるサイドバックがほかにいないという証拠でもある。

世代別代表で活躍したキム・ジンヤ(23、FCソウル)やイ・ユヒョン(24、全北現代モータース)、ソ・ヨンジェ(26、大田ハナシチズン)らも、A代表レベルまで成長できていないのが現状だ。

最近ではプロ入り後にフォワードからサイドバックに転向したり、センターバックと兼業したりする傾向が強まっていることから、国際的な競争力を持つサイドバック専門の選手が減少していることも、同ポジションの伸び悩みと関係している。

とはいえ、現代サッカーにおいてサイドバックは戦術的に非常に重要な存在だ。W杯のような国際大会で成功を収めるには、攻守にわたって卓越した能力を持つサイドバックを保有しなければならない。

カタールW杯での成功が究極の目標であるベント監督としては、最終予選でホン・チョルやイ・ヨンなど既存のベテランへの依存度を減らすとともに、新戦力の競争力を高めることも重大な課題となる見通しだ。

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