韓国女子バレーの“いじめ双子”、涙ながらの釈明も世論は冷ややか…興国生命も非難の的に

韓国Vリーグ女子部の興国生命ピンクスパイダーズが最大の危機に瀕している。

【写真】「この世の美貌じゃない」美人双子の圧巻ビジュアル

興国生命は6月30日、イ・ジェヨン(24)とイ・ダヨン(24)の双子姉妹の選手登録を放棄した。

球団オーナーを務める興国生命のパク・チュンウォン代表取締役の名前で、事実上の謝罪文まで発表し、2人に対する権利を行使しないことにした。数日前まで登録を強行しようとしていたとはまったく思えない決定が出たのだ。

イ・ダヨン(中央)とイ・ジェヨン(右)

それだけ波紋が大きかった。興国生命のキム・ヨイル団長が去る6月22日、韓国バレーボール連盟(KOVO)で行われた理事会で双子姉妹の選手登録を強行する意志を明らかにして以降、興国生命を取り巻く世論は本格的に悪化した。

興国生命は「無期限出場停止の懲戒は依然として有功。登録を放棄した場合は2選手が自由契約(FA)となり、ほかのチームに自由に移籍できてしまう」という論理を展開していた。

ただ、イ・ダヨンが海外進出を模索した事実が伝えられたことで、興国生命にさらなる逆風が吹いた。「反省せずに選手生活を続ける考えしかない」という指摘が矢のように殺到したのだ。

このため、結局、興国生命は球団オーナーの名前で謝罪するという前代未聞の事態を引き起こした。

一連の過程における興国生命の時代錯誤な対応は非難にさらされた。オンライン・オフラインで反対デモが続き、ブランド不買運動が言及されるほど状況は深刻だ。それでようやく事態の重さを把握した球団は、2人の選手登録を放棄した。結果的に球団はもちろん、企業のイメージまで大きく損ねることになった。

興国生命がバレーボール界、スポーツ界、ひいては韓国社会全体に漂う空気を読めず、無理に物事を進めた結果は凄惨極まりない。わずか1年前まで“フンベンジャーズ(興国生命+アベンジャーズ)”とまで呼ばれ、バレーボールファンの期待を大きく集めていた頃とは180度違う姿だ。

興国生命本社前で双子姉妹を非難するメッセージを掲げるトラック

「刃物は“持っただけ”」

追い打ちをかけるかのように、選手との関係性も悪化する雰囲気だ。

イ・ジェヨンとイ・ダヨンは選手登録を放棄された同日、テレビ局のインタビューを通じて興国生命に残念さを伝えた。

2人は放送内で「一度の謝罪で洗われることはない。一生のトラウマができたのであれば、私も一生反省しながら心から謝罪したい」としつつも、「違うことについてはハッキリ言いたかった。でも、球団が有無を言わせず謝罪文を書くように要求してきた。文章もすべて送ってきたのでその通りに書き留めた。釈明をしたかったのに、球団から“騒がせるな”、“イメージを考えろ”と言われ、それに従うしかなかった」と語った。

いじめ被害者への謝罪文は「球団の意志によるもの」という主張だ。双子姉妹と球団の葛藤は一向に収まる気配が見られない。

双子姉妹をめぐる事件はしばらく騒がしくなるものと予想される。問題を起こした張本人の双子姉妹が議論に火を付けているからだ。

2人は涙ながらに悔しさを訴え、世論を変えようとインタビューに応じたが、反応は芳しくない。

2人は学生時代のいじめについて「刃物を振り回していない。手に持って怒っただけ。母親と一緒に選手たちの前でひざをついて謝った。その子にも“ごめんなさい。間違っていた”と伝えて、その子も許してくれた」と釈明。さらには「お金は集めたが強制的ではない。運動をしっかりしなかったときに500ウォンずつ集めた方式だった」と伝えた。

本当に反省しているのかどうか疑わしい内容だ。「手に持っていただけ」とはいえ、相手の前で刃物を持つ行為がどういう意味なのかも理解していないように見える。

来シーズンは“最下位争い”?

騒々しい雰囲気のなか、興国生命は次の2021-2022シーズンで最下位争いを心配しなければならない状況だ。

現時点で興国生命の来季総報酬は年俸、オプションキャップを含めて計9億6100万ウォン(日本円=約9610万円)と、サラリーキャップ(23億ウォン=約2億3000万円)の半分も満たしていない。

韓国Vリーグでは、サラリーキャップの最小消尽率を50%と規定している。この水準を満たせない場合は制裁金が科せられる。ただ、KOVOは興国生命の特殊な事情を考慮し、懲戒処分を下さない予定だという。

興国生命は来季の戦いに頭を悩ませるしかない。昨シーズンは絶対的主力の双子姉妹が抜けてから明らかな下落傾向に入った。それでも、代表キャプテンのキム・ヨンギョン(33)を中心にチャンピオン決定戦まで進めたが、彼女もチームを去った。

無理に双子姉妹を残そうとした興国生命が、かえってすべてを失いかねない事態に陥っている。

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