韓国プロ野球の本塁打王争いがし烈だ。元広島東洋カープのホセ・ピレラ(31、サムスン・ライオンズ)は、サムスン所属の外国人打者として初の本塁打王になることができるのだろうか。
ピレラは現在、韓国プロ野球で58試合に出場して本塁打15本を放ち、同部門で単独トップを走っている。シーズン序盤から競争を繰り広げたNCダイノスのアーロン・アルテア(30/14本)が6月中の本塁打数1本位とどまるなか、ピレラは同月10日と11日に2試合連続で本塁打を放ち、単独で首位に立った。
もっとも、キム・ジェファン(32、斗山ベアーズ)とチェ・ジョン(34、SSGランダース)が14本、ナ・ソンボム(31、NC)とジェイミー・ロマック(35、SSG)が13本と追い上げている。ただ、今シーズンの韓国プロ野球は絶対的な強打者がいないため、現在の調子を維持できればピレラの本塁打王獲得も十分にあり得る。
昨シーズン、サムスン所属の外国人打者の活躍は微々たるものだった。腰を負傷したタイラー・サラディーノ(31)の代わりに獲得したダニエル・パルカ(29)は、51試合に出場して打率0.209の23打点、8本塁打に終わっていた。
このため、サムスンは昨冬、コンタクト能力に優れる中長距離型の打者としてピレラを迎え入れた。実際、ピレラは米メジャーリーグでの6シーズン間、302試合で17本塁打に終わり、日本プロ野球でプレーした昨年は99試合で11本塁打を記録していた。
しかし、ピレラは開幕後4月の1カ月間、24試合で9本の本塁打を放ちアルテアと双璧をなした。また、5月は23試合で4本、6月も現在までの11試合で2本と、本塁打王争いに火をつけた。ピレラはすでにキャリアハイのシーズン本塁打数を放っており、好調を維持している。
韓国プロ野球で外国人選手制度が導入された1998年以降、外国人打者が長打部門で頭角を現した。ただ、意外にも外国人打者が本塁打王に選ばれたことは、これまでわずか4回に過ぎなかった。
1998年、当時OBベアーズ(現斗山)所属のタイロン・ウッズ(51、引退)が42本で外国人打者初の本塁打王に輝いたが、以降は2005年に現代ユニコーンズ所属ラリー・サットン(現ロッテ・ジャイアンツ監督)、2016年にNC所属エリック・テームズ(34、読売ジャイアンツ)、そして2019年にKTウィズ所属メル・ロハス・ジュニア(31、阪神タイガース)が本塁打王となったのがすべてだった。
元巨人のイ・スンヨプ(44、引退)をはじめ、パク・ビョンホ(34、キウム・ヒーローズ)、パク・ギョンワン(48、引退)など、国内出身選手が強烈な対抗心を発揮し、本塁打王のタイトルを獲得していた。
ピレラが2020シーズンの本塁打王を受賞すれば、外国人打者としては通算5回目、サムスンの外国人打者としては史上初となる。サムスン所属選手では、これまでイ・マンス(62/1983~1985年)、キム・ソンレ(60/1987、1993年)、イ・スンヨプ(1997、1999、2001~2003年)、シム・ジョンス(46/2007年)、チェ・ヒョンウ(37/2011年)が本塁打王に輝いている。
サムスンは昨シーズン、チーム本塁打数が129本にとどまり、“本塁打軍団”と名をはせたかつての名声を続けることができなかった。相対的に大規模の球場をホームとするLGツインズ(149本)とロッテ(131本)にも及ばなかった。
今シーズンは現在までチーム本塁打54本と、NC(78本)、SSG(73本)に次いで3番目に本塁打数が多い。ピレラが本塁打王に輝くことができれば、サムスンはチームの名誉を回復できるとともに、所属選手の個人タイトルも獲得することができる。
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