【現地発】ソン・フンミンは本当に“騙した”のか…SNS上で散見される「明確な人種差別」

マンチェスター・ユナイテッド相手に2カ月ぶりのゴールをマークした韓国代表FWソン・フンミン(28、トッテナム)は、この試合で得点を決めただけではない。

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VARによって自身が受けたファウルが確認され、相手のゴールが取り消されるなど、試合の展開に少なからず影響を及ぼした。

ところが、怒りに沸いた一部のファンはもちろん、マンチェスター・Uに率いるオーレ・グンナー・スールシャール監督が試合直後に放ったソン・フンミンを狙撃する発言によって、論争が巻き起こっている。

散見された人種差別発言

ソン・フンミンは4月12日(日本時間)にトッテナム・ホットスパー・スタジアムで行われたプレミアリーグ第31節マンチェスター・U戦で、左ウィングとして4週間ぶりに先発復帰した。前半40分には左足で先制点を決め、今シーズンのプレミアリーグ通算14ゴール目に成功した。

議論となった場面は、トッテナムが先制する以前の同33分だ。

当時、マンチェスター・UはMFポール・ポグバ(28)のスルーパスで抜け出したFWエディンソン・カバーニ(34)がゴールネットを揺らしたが、主審のVAR確認の結果、得点が取り消された。

VARでは、ポグバにボールが渡る以前の状況が指摘された。

映像を見ると、マンチェスター・UのMFスコット・マクトミネイ(24)が、ドリブルをする過程でソン・フンミンのマークを振り払おうとした際、右手でソン・フンミンの顔面をはたいていたことがわかった。プレーが継続されてカバーニがゴールを決めた後も、ソン・フンミンは両手で顔を覆いピッチに倒れていた。

主審に異議を唱えるトッテナムの選手(共同取材団撮影)

この日、トッテナムは後半の3失点で1-3の逆転負けを喫した。

試合終了直後、ソン・フンミンのSNSにはVARでマンチェスター・Uのゴールが取り消された場面をめぐり、激しい非難が多く寄せられていた。しかし、単なる誹謗や嘲弄だけではなく、「犬でも食べてろ」「小さな目」など、人種差別を意味する表現のコメントが大多数だった。

監督同士の舌戦も…

さらに大きな問題は、マンチェスター・Uのスールシャール監督までソン・フンミンをあざ笑った点だ。

彼はソン・フンミンの名字である“孫(SON)”にあてこすり、「もし私の息子(SON)が3分間も横たわり、ほかの10人の仲間が彼を助けなければならない状況であったら、私は彼に何の食べ物も与えないだろう」と語った。顔を叩かれて苦しがっていたソン・フンミンの行動が“誇張された”という意味で、多少の嘲弄が混じった表現だった。

これを受け、トッテナムを率いるジョゼ・モウリーニョ監督は「ソン・フンミンの父がスールシャール監督より優れた人物で良かった。父親は子どもがどんな行動をしたとしても食べさせなければならない。子どものためなら、食べ物を盗んででも食べさせなければならないのではないか」と反論していた。

両手で顔を覆うソン・フンミン(中央、共同取材団撮影)

ソン・フンミンの立場としては荒唐無稽な論争だ。他人を欺くために“ハリウッドアクション”をしたわけでもなく、相手選手と競り合う過程で顔面を叩かれたからだ。

イギリス公共放送『BBC』で解説を務める元アイルランド代表FWクリントン・モリソン氏は、マクトミネイのプレーについてレッドカードが出てもおかしくない場面だと言及した。

にもかかわらず、現地でこのような議論が起きていることについて、アジア人選手に対する人種差別ではないかという声が挙がっている。

トッテナムはソン・フンミンの人種差別被害と関連し、プレミアリーグ事務局とともに調査に乗り出すことを明らかにしている。

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