“もう”2勝だ。スピードと堅固さが加わった忠南牙山(チュンナム・アサン)FCが、韓国Kリーグ2(2部)の2021シーズン序盤に突風を巻き起こしている。
かつてガンバ大阪や柏レイソルに在籍したパク・ドンヒョクが監督として率いる忠南牙山は、4月3日にホームの李舜臣(イ・スンシン)総合運動場で行われた第5節の慶南(キョンナム)FC戦を2-1で勝利した。
忠南牙山は前半7分にFWイ・スンジェ(23)のゴールで先制すると、同ロスタイムに同点に追いつかれたものの、後半42分に元V・ファーレン長崎DFチェ・キュベック(27)のゴールが決勝点となった。
これで2勝1分2敗とした忠南牙山は、勝ち点7で10チーム中4位。5試合で6ゴール3失点と、今シーズンはここまで安定したパフォーマンスが続いている。
忠南牙山は昨シーズン、27試合で5勝7分け15敗の勝ち点22にとどまり、最下位に沈んだ。20ゴール40失点とまったく攻守のバランスを取れず、得点数はリーグ全体8位、失点数はリーグ最多だった。だからこそ、“リーグ最下位”というイメージが忠南牙山には強かった。
しかし、今シーズンに入ってから戦いぶりが見違えるように変わった。釜山(プサン)アイパークや慶南FCといった昇格候補を次々と撃破し、勢いに乗っている。
パク監督は今シーズン、堅い守備と素早く効率的なカウンターで相手を苦しめている。富川(プチョン)FC 1995と安山(アンサン)グリナースに敗れた2試合はいずれも0-1のスコアで、簡単に守備が崩れた試合はまだない。
忠南牙山の守備は、今シーズン新たに加入したチェ・キュベックとDFハン・ヨンス(30)のセンターバックコンビによって堅さを増した。その前列に配置されるMFユ・ジュンス(32)、MFキム・ジョングク(32)、MFパク・セジク(31)ら経験豊富な中盤の選手は守備に安定感をもたらすだけでなく、得点も決めてチームをけん引する。
攻撃では元ベガルタ仙台FW道渕諒平(26)、イ・スンジェ、FWキム・チャン(20)による“三角編隊”が、シンプルかつ素早いカウンターで攻撃力を最大限高めている。道渕が2ゴール、イ・スンジェが1ゴールを決めている結果がその証拠だ。
ここに加え、新外国人選手のブラジル人FWアレクサンドロ(25)も適応を終えて合流すれば、より大きなシナジー効果も生まれるだろう。
今シーズンが始まる前、韓国サッカーファンの間で忠南牙山の突風を予想した者はほとんどいなかった。2部リーグはあまりに変数が多いだけでなく、特に今シーズンは全体的に積極的な戦力補強を行っていたからだ。
それでも、“最下位候補”と目されていた忠南牙山が、シーズン序盤から内容と結果の両方で好調さを披露している。
こうしたチームの戦いぶりにパク監督は「経験豊富な選手がDFラインで中心をしっかり取ってくれている。満足している」とし、「リーグ戦は長い。自信をもって、我々が望む方向に進んでほしい」と期待感を示した。
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