完全体が急がれるが安全が最優先だ。今回の国際Aマッチ期間、サッカー韓国代表に7人の選手を派遣した蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)が、代表組の合流時期をめぐって頭を抱えている。
昨シーズンのアジア・チャンピオンズリーグで優勝した蔚山現代は今回、日本代表と国際親善試合を行ったA代表に7人、慶尚北道(キョンサンブクト)慶州(キョンジュ)で招集トレーニングを実施したU-24韓国代表に2人を派遣。この期間に計9人もの選手がチームを離れていた。
さらに、負傷離脱中のユン・ビッカラムやイ・チョンヨンなども含めれば、ほぼすべての主力選手が抜けている状況と言っても過言ではなかった。
就任直後に短期間の冬季キャンプしか行えなかったホン・ミョンボ監督は当初、国際Aマッチ期間によるリーグ休息期にプランB構築などを考えていたが、思い通りにはならなかった。
ただ、それらももう過ぎたことだ。蔚山現代は来る4月3日、アウェーでのKリーグ1(1部)第7節の城南(ソンナム)FC戦を控えている。といっても、正常な完全体を期待するのは難しい。
まず、日本から帰ってきたA代表の7人は、第7節の前日の2日まで坡州(パジュ)のサッカー国家代表トレーニングセンターでコホート隔離(集団隔離)を行っている。すなわち、チーム復帰直後の城南FCで彼らが正常なコンディションでプレーすることは難しい状況だ。
問題は、代表組の空白が城南FCだけで終わらない可能性もあることだ。
蔚山現代は第7節以降、7日にホームで第8節FCソウル戦、11日にアウェーで第9節水原(スウォン)FC戦と、平日試合を含め1週間で3試合をこなさなければならない。
シーズン序盤の首位争いの重大な分かれ目にもなり得る3連戦だ。それでも、蔚山現代は代表組7人をコホート隔離終了後もさらに隔離させる案も考慮している。
理由は新型コロナウイルス感染症の潜伏期間のためだ。
日本での遠征期間中、日本代表からは斉藤俊秀コーチが、韓国代表が宿泊したホテルからは警備員が新型コロナの陽性判定と診断された。両者とも濃厚接触者はいなかったとされるが、「万が一の事態に備えなければならない」という声も一部からは上がっている。
蔚山現代の関係者は「新型コロナは常に潜伏期間の“変数”を考慮しなければならない。特に我々は多くの選手を派遣したため、さらに懸念されるのが事実だ」と語った。
また、「我々だけでなくリーグ全体としても健康が優先なので、(1週間のコホート隔離以外に)さらに1週間NFCで隔離するか、ホン監督と討議したい」と明らかにした。
韓国代表選手とコーチ陣は、日本で行った新型コロナ検査でいずれも陰性判定を受けた。帰国前後の検査でもやはり問題はなかった。コホート隔離の解除直前にも、もう一度新型コロナ検査を受けるという。
蔚山現代は検査結果を待つとともに、日本遠征に同行した韓国サッカー協会の主治医などの見解を聞いて、最終的な判断を下す予定だ。
ホン監督は「当然、陰性が出ることが優先であり、そのあとで専門家の見解をよく聞く必要がある」とし、「先月(カタールで開催された)クラブW杯に参加した後、コホート隔離を行った際もこうした手続きを踏んだし、問題なくリーグを消化したことがあるではないか」と語った。
前へ
次へ