興国生命ピンクスパイダーズの自滅もあった。ただ、それ以上にGSカルテックス・ソウルKIXXの成長が見られた。
GSカルテックスは来る3月16日の最終戦を前に、2020-2021シーズンのVリーグ女子部正規リーグ優勝を確定させた。
12日のIBK企業銀行アルトス戦で勝利したGSカルテックスは、1試合を残して勝ち点58としていた。そして、翌日の13日に興国生命が最終戦で敗れ勝ち点56にとどまったため、正規リーグ終了を前に優勝チームが決まることとなった。
GSカルテックスが逆転優勝を果たした背景には、興国生命の陥落があると言っても過言ではない。
シーズン開幕前、興国生命は女子バレー韓国代表キャプテンのキム・ヨンギョン(33)や代表主力セッターのイ・ダヨン(24)を獲得するなど戦力強化に成功。優勝の最有力候補とされ、「1強チーム」という別名や「オ・ウ・フン(”どうせ優勝は興国生命“を略した韓国語)」という表現も登場していた。
実際、第4ラウンド終了までほぼ負けなしで勝ち点49を稼ぐなど、2位のGSカルテックス(勝ち点37)と大きく差をつけていた。
ところが、2月に入りイ・ジェヨン(24)とイ・ダヨンの双子姉妹に学生時代のいじめが発覚し、無期限出場停止処分に。これによって興国生命の戦力は大幅にダウンし、第5~6ラウンドでの10試合で2勝8敗と事実上の自滅を余儀なくされた。この間にGSカルテックスが6連勝に成功し、順位をひっくり返してみせた。
ただ、興国生命の崩壊だけが優勝の要因となったわけではない。GSカルテックスの選手たち自身の成長も無視してはならない。
今シーズンここまでの29試合で勝ち点58を獲得したGSカルテックスは、試合当たりの平均得点が93得点と昨シーズン(89得点)よりも向上した。
特に個人成績を見ると、1試合平均得点でメレーター・ルッツ(26)が25.1得点から29.4得点、イ・ソヨン(26)も13.3得点から15得点に成長した。カン・ソフィ(23)はシーズン序盤こそ不振に苦しんだが、徐々に自身のペースを取り戻していった。
また、順位表を見れば、GSカルテックスがチャ・サンヒョン監督就任以降からいかに成長しているかがわかる。
チャ監督就任1年目を正規リーグ5位で終えたGSカルテックスは、翌シーズン4位に上昇。2018-2019シーズンは3位でプレーオフ進出を果たし、2019-2020シーズンは2位で終えた。
そして今シーズンは正規リーグ優勝と、まさに一歩ずつ成長を遂げていった。
さらには、チャ監督を中心にチームが一つにまとまったことも優勝の原動力となった。
特に、一時はいじめに苦しみ選手生活を諦めたキム・ユリ(29)がMOM(マン・オブ・ザ・マッチ)に選ばれた際、チームメイト全員が彼女のインタビューを応援していた場面は、今シーズンのVリーグにおける名場面として残った。
GSカルテックスはこれに満足せず、チャンピオン決定戦も制し“統合優勝”を果たす覚悟だ。
チャ監督は「選手の成長が優勝の原動力だった。一つになって努力してくれたすべての選手に感謝したい」とし、「重要な試合で自分たちの雰囲気とテンポをしっかり披露できるよう準備したい。コート上でのミスを減らし、より精巧なプレーをしていきたい」と意気込みを語った。
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