韓国Kリーグ1(1部)を4連覇中の全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースが、2021シーズン開幕から大胆なターンオーバーを実施している。
今シーズンから全北現代を率いるキム・サンシク監督は、去る3月6日にアウェーの済州(チェジュ)ワールドカップ競技場で行われたKリーグ1第2節の済州ユナイテッド戦で先発メンバーに変化を加えた。
第1節FCソウル戦で先発出場したGKソン・ボムグン(23)、MFキム・ボギョン(31)、MFチェ・ヨンジュン(29)、FWグスタヴォ(26)を除き、残り7人のメンバーを入れ替えたのだ。
前節で4バックを敷いたキム監督は、フォーメーションも3バックに変更。最後列を右からク・ジャリョン(28)、チェ・ボギョン(32)、チェ・チョルスン(34)と並べると、両ウィングバックにイ・ユヒョン(23)U-22義務出場選手に当たるパク・ジンソン(19)を起用した。
また、キム・ボギョン、チェ・ヨンジュンとともにチョン・ヒョク(34)を中盤に据えると、グスタヴォとの2トップにはU-22義務出場選手のイ・ジフン(18)を組ませた。
FWスタニスラフ・イリュチェンコ(30)、FWキム・スンデ(29)、MFイ・スンギ(32)、DFイ・ジュヨン(28)、DFホン・ジョンホ(31)ら主力はベンチに座った。開幕戦でゴールを決めたMFモドゥ・バーロウ(28)は招集メンバーから外れた。
結果は残念だった。昇格組である済州ユナイテッドの堅い守備に苦労し、1ゴールをもぎ取るにとどまった。キム監督が公約として掲げた“1試合当たり平均2ゴール”には及ばなかった。後半10分にイ・スンギがやっとの思いで先制点を挙げたが、同23分、MFアン・ヒョンボム(26)に同点弾を許して1-1で引き分けた。
開幕2連勝に失敗した全北現代は1勝1分で勝ち点4とし、12チーム中4位につけた。全勝は蔚山現代(ウルサン・ヒョンデ)、浦項(ポハン)スティーラース、水原三星(スウォン・サムスン)ブルーウィングスの3チームだ。
キム監督が結果を後回しにしてターンオーバーを実施した理由は、長期戦に備えるためだ。キム監督はチームに所属するすべての選手を最大限活用し、パフォーマンスを引き上げる意志が強い。今シーズンは従来の38試合制を戦うからこそ、幅広く選手を起用しなければならない。
全北現代はKリーグ1とFAカップの制覇はもちろんのこと、アジア・チャンピオンズリーグ(ACL)での優勝も目指している。キム監督は「初戦で勝ち点3を得た。全北現代で選手、コーチと務めながら、余裕がある序盤で多くの選手に機会を与えなければならないと思った。結果はシーズンを経て自然についてくるものだ」と、目の前の勝利よりも多くの選手に出場機会を与えることが大切だと強調した。
今シーズンのKリーグは4~5月のACLグループステージ集中開催のため、平日の試合が多く組まれている。全北現代は今後、3月9日に第3節の江原(カンウォン)FC戦、13日に第4節の光州(クァンジュ)FC戦、16日に第5節の大邱(テグ)FC戦と控えている。
主力を起用し続ければ、選手のコンディションが100%仕上がっていないシーズン序盤にして負傷者が続出しかねない。選手の体力配分に気を配ってこそ、チーム全体のコンディションも引き上げられる。これが、キム監督は引き分けを甘受してターンオーバーを実施した背景である。
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