3月7日、「第35回デンソーカップチャレンジサッカー熊谷大会」、関東選抜Aと関東C・北信越選抜の決勝戦が行われた。
試合は関東C・北信越選抜が荒木駿太のゴールで先制するも、関東選抜Aが白井海斗のゴールで同点に追いつく。前半44分にはコーナーキックで守る関東C・北信越選抜の選手がハンドで決定機を阻止する形となって退場処分となり、そのファウルで獲得したPKを大森真吾が決めて関東選抜Aがリードして前半を折り返す。
1人少ない関東C・北信越選抜は終盤パワープレーに出るが、89分に関東選抜A・山原怜音にダメ押しの3点目を決められ、試合は3-1で関東選抜Aが勝利を収め優勝した。また、大会最優秀選手には関東選抜A・山原怜音が選ばれた。
試合後、関東選抜A・川津博一監督は大会を総括し、「少ない時間の中だったが、レベルの高い選手たちだったので、立ち上げるときに話をしたコンセプトを追求することを目的にし、1試合1試合良くなって、最終的にミッションである優勝を勝ち取ったことは本当に選手たちに感謝したい」と話した。
また選手を選ぶ際に、「球際、ハイプレス、ハードワークというところを選考会の度に求め、こういったことができないとサッカーが上手くてもピックアップしない」と関東の技術委員のほうから常に話していた。「彼らも下級生の時から選考会に来ているので、そういったことが頭に入っている。我々が関東Aを立ち上げたときに、みんなはこの先、プロになっていくわけで、各チームでやっているシステムや、ポジションというところではなく、いちサッカー選手として求められること、相手を見ながらボールを動かすこと、状況判断ができること、攻撃の優先順位・守備の優先順位が何かというところを徹底することで、いい選手と呼ばれる」と細かく話したという。
そういうコンセプトのなか、「急に作るチームなので、オーソドックスに4-4-2をやるところから」入り、「連戦で各選手のいいところが見えてきので、4-1-4-1や4-3-2-1など、最後にはシステムにこだわらずにサッカーがやれるようになってきた」と振り返った。
決勝戦については、「前半は相手がハイプレスをしてくるところに、うまくビルドアップが対応できなかったという印象」だったが、「準決勝の西堂久俊のように、厳しい試合を勝つためには、個の力というのが大事だという話をしたなかで、今日の3点目の山原怜音、1点目の白井海斗も技術の高さでシュートが決まった。関東Aのレベルの高さ、個人で打開する力というのが関東B、Cよりもあった」と勝因を説明した。
大会最優秀選手に選ばれた山原怜音については、「技術的に優れていることもそうだが、戦術理解度が高い。サイドバックでいながら、こういうボールの動かし方をしようという私のコンセプトを理解して、前の選手を動かしたり、自分が上がった時にはそういう動きをしたりして、違うポジションでもそれを理解したなかで整理されたプレーをしていた。非常に賢い選手」だと述べ、さらに「チームが厳しいときに、彼が点を取って助けられた。有名選手はたくさんいるが、この4日間を通して一番コンスタントに自分のいいところを、即席チームの中で発揮したと思う。そういったことも含めて、MVPは山原怜音」と称賛した。
(文=玉 昌浩)
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