“飛び級”がサッカー韓国代表の新しいトレンドになるのだろうか。
パウロ・ベント監督率いる韓国代表は、10月9日と12日に行われたオリンピック代表とのスペシャルマッチで、2戦合計5-2のスコアで勝利した(1戦目は2-2で引き分け、2戦目は3-0で勝利)。
今回は新型コロナウイルスの影響で海外組を招集できず、国内組のみの招集となった。その中にはU-23世代のイ・ドンジュン(23、釜山アイパーク)、イ・ドンギョン(23、蔚山現代)、ウォン・ドゥジェ(23、蔚山現代)たちが“飛び級”でA代表に招集された。
ウォン・ドゥジェは1戦目にCBとして出場し、合格点を獲得。アタッカーのイ・ドンジュンとイ・ドンギョンは2戦目に揃って先発出場し、2人のコンビで得点を奪い、ベント監督に実力をしっかりと見せつけた。
ベント監督は基本的に選手起用において大きな変化を求めない。それでも、これまで若い選手たちを招集し、じっくりと見定めながら出場機会を与えてきた。代表的なのがペク・スンホ(23、SVダルムシュタット96)と、イ・ガンイン(19、バレンシア)だ。
ペク・スンホは1997年生まれで、来年の東京五輪に出場可能な世代だ。2019年3月に初招集、同年6月のイラン戦で初先発し、安定した活躍を見せた。
イ・ガンインは2001年生まれで、日本代表の久保建英(19、ビジャレアル)と同じ19歳だ。2019年に行われたU-20ワールドカップでもチーム最年少として参加した。彼も2019年3月にA代表に初招集されたが、6月までピッチに立つチャンスを与えられなかった。同年9月に行われたグルジア代表との親善試合で初先発し、ピッチを駆け回った。
ベント監督は10月の国際Aマッチを終え、「新しい選手を分析しながら、全体的なチームの方向性を探っている。機会があればまた新しい戦力を追い求めるだろう」と言及し、U-23世代のA代表への“飛び級”を示唆した。
ニューフェイスの登場は常連の代表選手たちに刺激を与えると同時に、競争を通じたシナジーも得られるというメリットがある。U-23世代の有望株がA代表への“飛び級”に成功し、選手起用の幅が大きく広がった。監督にとっては喜ばしい悲鳴だ。
奇しくも日本代表も10月のテストマッチ2試合で、東京五輪世代の冨安健洋(21、ボローニャ)が安定した守備を見せ、久保建英がA代表初先発を果たすなど、飛び級選手が話題になった。
韓国代表は11月にメキシコ、カタールとの試合に臨むためオーストリアに向かう。この2試合はテストマッチなので、過度に結果を求められないと思われる。
その状況でベント監督はどこから新戦力を抜擢し、テストマッチに挑むのか期待だ。
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