選手を死に追いやった韓国トライアスロン協会を降格させる?“トカゲの尻尾切り”との批判も

2020年07月28日 スポーツ一般

大韓体育会(会長イ・ギフン)が韓国トライアスロン協会を“準種目団体”に降格する内容を臨時理事会の案件として上げた。

オリンピックとアジア大会の種目団体である韓国トライアスロン協会は、これまで大韓体育会の正会員種目団体だった。しかし大韓体育会は最近、国民の公憤を買った“故チェ・スクヒョン事件”に対する措置として、準種目団体への降格という超強硬策に乗り出したとみられる。

【注目】韓国スポーツ界の「故チェ・スクヒョン事件」とは

大韓体育会が来る7月29日に開かれる臨時理事会で、韓国トライアスロン協会の準会員降格を緊急案件として追加することがわかった。一部ではこれ以上スポーツ界の不正に温情は不用という世論を反映した適切な措置との評価もあるが、種目団体降格という強硬な措置は“トカゲの尻尾切り”ではないかとの批判も出ている。

もし特定の事件で種目団体が降格されれば今回が初めてのケースとなり、今後、派閥争いなどの問題を起こした体育団体事件にも同じような降格はもちろん、脱退まで適用する可能性もあり、関心が集まっている。

大韓体育会イ・ギフン会長(左)

降格という措置は問題解決になるのか

一方、国会文化体育観光委員会チョン・ヨンギ委員は、同委員会の案件審査および業務報告の席で、文化体育観光部パク・ヤンウ長官に関連質疑を行い、「正義を立て直そうとしたチェ・スクヒョン選手の意思が他の選手に被害を与えるように変質した」と強く叱責した。

チョン・ヨンギ委員は「大韓体育会の正会員から準会員へと降格されると、予算上の不利益がかなり大きいことを知っている。これは、韓国トライアスロン協会に所属する他の選手たちに被害があることを意味する。根が腐っているのに枝だけ切る格好」とし、「大韓体育会の自浄能力を信じることができない状況だけに、文化体育観光部が監視措置を確実に強化しなければならない」と強調した。

パク・ヤンウ長官も「韓国トライアスロン協会の準会員降格議論は報告されていない」とし、「会員資格の降格などが問題解決の最善ではないと思う。問題を正すのが優先されるべきで、より綿密に見てみる」と述べた。

大韓体育会が取り出した韓国トライアスロン協会の準会員降格措置は、どんな結末を迎えるか、注目が集まっている。

信頼を失った大韓体育会

いずれにしても今回の故チェ・スクヒョン事件を通じて、大韓体育会がスポーツ界の不正根絶のための意志が希薄であることは周知の事実となった。

大韓体育会は、韓国トライアスロン協会パク・ソクウォン会長が去る2月14日にチェ・スクヒョン選手に対する暴行事件を認知していながら、130日間も事実上放置したことを確認している。

韓国トライアスロン協会パク・ソクウォン会長

2019年の“シム・ソクヒ事件”(女子ショートトラック韓国代表のシム・ソクヒ選手に対してコーチが性的暴行した事件)のときも、大韓体育会は15の刷新対策を発表し、司法処理対象を検察告発することを義務付け、不正団体の会員資格永久排除や団体役員に対する責任追及などを約束したが、ひとつも履行しなかった。

むしろ韓国トライアスロン協会が今回の事態を組織的に隠蔽・縮小するために、メンバーの口封じまでした状況が明らかになったにもかかわらず、パク・ソクウォン会長の辞任についても何ら反応を見せず、ひんしゅくを買った。事態の直接的な責任者は逃げるように協会を去り、会員団体を管理・監督する大韓体育会はその協会を準会員として降格させることで、事件を終わらせたい思惑が透けて見える。

大韓体育会イ・ギフン会長は7月22日の国会文化体育観光委員会の聴聞会で、スポーツ人権センターが正常に働かないのは予算と人手不足が理由ととらえられる発言をし、委員から集中砲火を浴びた。

イ・ギフン会長は「1000以上の団体が関連されている市、郡、区などの各競技団体の責任と権利、義務を明確に分け、人権死角地帯を解消するように努力する」と強調した1週間後に、韓国トライアスロン協会を切るように準会員団体に降格しようと構想したことになる。

国民との約束をあまりに軽く考える大韓体育会首長の態度は、自浄能力だけでなく、信頼さえ根こそぎ奪っている。

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