湘南ベルマーレや柏レイソルで活躍したハン・グギョン(30)は現在、韓国Kリーグの江原FCで中心的な役割を担っている。
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ハン・グギョンは昨シーズン、Kリーグ1(1部)の全38試合に先発フル出場するという“鉄人ぶり”を見せた。たぐいまれなスタミナを武器に、ただの一度も途中交代することなくチームをけん引した。
2年前に十字靭帯断裂の重傷を負った経験からコンディション管理を徹底し、これまでけがなく累積警告の懲戒も受けていない。
今、ハン・グギョンはキム・ビョンス監督率いる江原FCの中でも、先発メンバーに一番に名を連ねるような存在となっている。
ハン・グギョンは今シーズンもキム監督に重用され、“ビョンス・ボール”の中軸を任されている。シーズンが開幕してからの2試合、彼はFCソウル戦(3-1で勝利)と尚州尚武FC戦(0-2で敗北)どちらも先発出場し、90分間ピッチを駆け回った。
韓国の試合分析業者『ビープロイレブン』の記録によると、ハン・グギョンは2試合で平均94.35%という高いパス成功率を叩き出している。計157回のパスを試み、148回成功させた。ピッチを縦横無尽に走る運動量が必要なセンターミッドフィールダーとしては驚異の数字だ。
成功率が高くても、バックパスや後方でのボール回しが多ければその数字は意味をなさない。ところが、ハン・グギョンが試みた157回のパスのうち、140回が中央や前線でなされた。ほとんど敵陣内でのパスにもかかわらず、成功率が非常に高かったのだ。
前線へのパスも51回と3分の1の水準で、キーパスも3回と決して少なくない数字だ。
江原FCに加入する以前まで、ハン・グギョンの主戦場は守備的ミッドフィールダーだった。韓国代表で活躍した頃も、ハン・グギョンはキ・ソンヨン(31・マジョルカ)のパートナーとして、ゲームメイクよりも守備的な役割に比重を置いた。タックルや対人マークがハン・グギョンの持ち味だった。
そんな彼が、江原FCでまったく別のプレーヤーに変貌を遂げた。
実際に江原FCの試合を観てみると、ハン・グギョンはDFラインの一歩前にとどまらず幅広くピッチを走り回り、攻撃の起点となる役割をしている。現在はむしろ、守備的な能力よりも攻撃的な才能が目を引く。
江原FCが繰り広げる“ビョンス・ボール”の核心はパスにある。
キム監督は90分間通して試合を支配し、敵陣でチャンスを作り出すことを望む。そのためにはパスの正確性が求められる。成功率が落ちれば流れも途切れ、キム監督が志向する攻撃的サッカーも円滑になされない。
そんな“ビョンス・ボール”が攻撃的なカラーを維持できている背景に、ハン・グギョンの活躍がある。彼の存在によって、キム監督も絶え間ない攻撃的サッカーを試みることができている。
ハン・グギョンは元々プレースタイルが派手な選手ではなく、どちらかといえば“縁の下の力持ち”といったイメージが強かったはずだ。だが、最近ではKリーグトップクラスのセンターミッドフィールダーの一人と評価される選手に生まれ変わった。
キム監督はもちろん、大半の指導者がハン・グギョンの実力を認め、また以前からがらりと変わった姿に驚いている。
30代に突入してもなお進化し続けるハン・グギョン。今シーズンの江原FCの行方は、彼の活躍にかかっているといっても過言ではない。
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