韓国プロ野球KBOリーグのグローバルマーケティングが行われる可能性が高まり、韓国野球委員会(KBO)も神経を尖らせている。
アメリカ最大のスポーツチャンネルESPNがKBOリーグの中継を打診したというニュースが知られ、成功する可能性が高いとの見方も強まっている。
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野球宗主国であるアメリカ全域に、何らかの形でKBOリーグを知らせるチャンスが実現すれば、“産業化”を渇望していた韓国スポーツマーケティングに新しい歴史を刻むことができる。
新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)の影響で、今季KBOリーグの興行は打撃を受けることが予想されているだけに、新たな成長動力が必要だ。グローバルマーケティングの突破口が生じれば、事業の多角化を模索することができる。 KBOが慎重ながらも積極的に海外市場を開拓しようとする理由も、そこにある。
KBOは4月14日、ソウルで新型コロナ対応の緊急理事会(社長会議)を開き、今週末までの推移を注視した後、4月21日に理事会を再び開いてシーズン開幕日を決定すると発表した。
開幕2週間前にスケジュールを決めてこそ、各球団もシーズン開始を準備することができる。同日の理事会で、4月21日に開幕日を発表すると決めたのは、早ければ5月1日、遅くても5月5日に開幕することを事実上、決定したと解釈できる。
ただ韓国政府の防疫指針に歩調を合わせる必要があるため、週末の後まで開幕日の決定を遅らせたわけだ。
チョン・セギュン国務総理は4月13日、中央災難安全対策本部会議を主宰した席で「性急な緩和は取り返しのつかない代価を払うことになるため、慎重にならなければならない。生活防疫(日常的・生活的なレベルの防疫)体制に転換するという意味は、ある程度の経済、社会活動を営みながらも、コロナ感染のリスクを下げるために必要なソーシャルディスタンス(社会的距離)を継続するということ」と強調した。
韓国政府は4月19日まで高強度のソーシャルディスタンスなどの措置を持続させ、週末に生活防疫に切り替えるかどうかを決めることにした。4月15日の総選挙などがあり、安心できるわけではないという意味だ。
KBO理事会も政府が高強度のソーシャルディスタンス措置の延長を決定すれば、簡単に開幕カードを切ることはできない。
それでも現状の推移通りに新型コロナが安定期に入れば、5月突入と同時にKBOリーグが始まる。
アメリカも感染がピークに達したとの分析が出ており、海外市場への進出時期がカギとみられる。当然ながら、メジャーリーグが開幕すれば、KBOリーグのアメリカ市場での需要は消える。
中継の可能性を打診したESPNが慎重な姿勢で現状把握に注力しているのも、同じ脈絡だ。 ESPNの立場からすれば、メジャーリーグ開幕が見えた時点で、KBOリーグ中継権を取得したことは無駄な投資となり、アメリカ国内での批判は避けられない。
KBO関係者は「プロ野球のシーズン開幕日程が決定すれば、全世界に韓国が新型コロナ対策で成功したことを間接的に証明することができると思う」とし、「何よりもアメリカ全域にKBOリーグが流れれば、韓国野球に対する見方が大きく変わると確信している」と話した。
韓国野球は、2006年ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)準優勝、2008年北京五輪金メダル、2009年WBC準優勝などの国際大会での成果を通じて、「もはや辺境ではない」という認識を与えた。さらにKBOリーグの中継が実現すれば、韓国プロ野球のレベルが低くないことを知らせることができる。
近い将来、“アジアリーグ”の導入など、グローバル化モデルを描いていくうえでも、全世界の野球ファンの圧倒的多数を占めるアメリカファンから支持を得ることは、大きな助けになる。
前出の関係者は、「KBOリーグの躍動性だけでなく、全世界がうらやむ応援文化によって、野球が十分に“文化コンテンツ”になる可能性があることを知らせる契機になるだろう。何らかの形でアメリカ全域にKBOリーグが知らせることができるよう、野球関係者だけでなく、ファンも応援に力を加えてほしい」と強調した。
KBOリーグを通じて、野球が観戦するだけのスポーツではなく、複合的な文化コンテンツとして成長する可能性があることを伝えるのがグローバルマーケティングの目標だ。
それによって投資と新しいコンテンツの開発などの好循環が始まれば、むしろメジャーリーグよりも先に野球のグローバル化をもたらすことさえあり得る。KBOリーグ独自の応援文化が大きな資産となっている。
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