Kリーグの「芝問題」が深刻だ。もはや韓国サッカーの“聖地”でも国際試合を実施できなくなった。
3月3日、ソウルワールドカップ競技場で行われたKリーグ1(1部)第3節のFCソウル対金泉尚武(キムチョン・サンム)は0-0で終了した。
ただ、試合内容以上に注目を集めたのは「ピッチコンディションの悪さ」だった。試合後、両チームの指揮官は「芝の状態が残念だ」と口を揃えた。
韓国サッカー界では最近、Kリーグの2月開幕による芝問題が物議を醸している。寒さの影響で芝の凍結と損傷が深刻であり、根付きが悪く、開幕以降もピッチコンディションが整わない状況が続いている。
この問題は、ソウルワールドカップ競技場を“本拠地”として使用するサッカー韓国代表にも影響を及ぼしている。
韓国代表は3月20日にオマーン代表、25日にヨルダン代表とホームで2連戦を戦うが、ソウルワールドカップ競技場は韓国サッカー協会(KFA)のスタジアム実態調査で「国際Aマッチを行うには不適格」と判断され、開催候補地から外れてしまったのだ。
そのため、3月20日のオマーン戦は高陽(コヤン)総合運動場、ヨルダン戦は水原(スウォン)ワールドカップ競技場で行われることが決定している。
3日のFCソウル対金泉でも、ソウルワールドカップ競技場のピッチ不良が遠目に見てもわかった。
各所で芝が剥がれ、短いパス交換もままならず、まるで漢江(ハンガン)の河川敷を連想させるような状態だった。
FCソウルのキム・ギドン監督は、全北現代(チョンブク・ヒョンデ)モータースがAFCチャンピオンズリーグ2準々決勝ホームゲームを本拠地・全州(チョンジュ)ワールドカップ競技場のピッチ不良によって、161km離れた龍仁(ヨンイン)ミルスタジアムでの開催を余儀なくされたことを挙げ、次のように苦言を呈した。
「ソウルワールドカップ競技場も芝が根付いていない状態で試合をするから、あちこちで芝が剥がれる。選手が本来の実力を発揮することは難しい」
指揮官の指摘通り、パス交換の度にボールがピッチのデコボコで弾んでしまうなど、選手が正常に試合をプレーすることは難しかった。
なかでも前半27分、FCソウルの元イングランド代表MFジェシー・リンガード(32)は方向転換を試みた際、めくれた芝に足をとられて転倒し、しばらく痛みを訴えた。
リンガードは後半終盤に交代で下がるまでプレーしたが、キム監督は「ジェシー(・リンガード)は一人で走っている時に芝に足をとられ、足首を捻った」と打ち明けた。
また、「サッカーは1月にしても、2月にしても構わない。ただ、諸般の施設が明確に整備されていなければならない。冬にもサッカーができる欧州のように、スタジアムのシステムが整えらえなければならない」と訴えた。
金泉を率いるチョン・ジョンヨン監督も「このようなスタジアムの環境のため、変則的に戦わざるを得ない状況だった」とし、ピッチ状態によって本来のパフォーマンスを発揮できなかったことを強調。
「我々が望むゲームモデルの一つが、後方からのビルドアップだ。(このような芝では)ミスが出るしかない。戦略的に素早く変化するしかなかった。ダイナミックでテンポの速いサッカーを展開したかったが、ご存じのように、両チームともそれが難しかった」と吐露していた。
なお、FCソウル対金泉が行われた3月3日、ソウル市内の気温は4度だった。
(構成=ピッチコミュニケーションズ)
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■【写真】「ピッチが凍ってる!」選手も指摘するKリーグ芝問題
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