“非常警戒態勢”の韓国プロ野球春季キャンプ。各地での新型コロナ感染拡大に各球団の決断は?

世界で感染者が続々と登場する中、春季キャンプも非常警戒態勢にある。

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新型コロナウイルス感染症が全世界で感染拡大している。

韓国プロ野球の10球団が春季キャンプのため発った1月末には中国内で猛威を振るう程度だったのが、2月に入ってからアジア周辺国に急激に拡大を始めた。

韓国はもちろん、3月に入り欧州や北米、オセアニアなど全域にまで影響が及んでいる。

最近ではキャンプ地付近で感染者を確認したとのニュースも出ており、春季キャンプの日程を消化中の各球団は感染予防に総力を挙げている。

各キャンプ地で感染者が確認され…

宮崎県で第2次キャンプを実施している斗山ベアーズは、3月5日に予定されていた東邦ガス硬式野球部との練習試合を中止した。試合の前日、宮崎県で初の新型コロナ感染者が確認されたためだ。

(写真提供=斗山ベアーズ)春季キャンプの様子

斗山は不測の状況で先立って対応を執るべく、外部チームとの練習試合の代わりに紅白戦を行う方針を立てた。球団はキャンプを延長することなく、来る8日に仁川へ向かう飛行機に搭乗する予定だ。

斗山の関係者は「残り少ない期間に最悪の状況が発生しないよう、選手たちには外出を自制することを勧告した。予防のためのルールも徹底している。事態が鎮静化するまで、ファンとの握手やサインなど、接触を避けることが原則だ」と明かした。

KTウィズもやはり、アメリカでの感染拡大によって被害を受けている。

アメリカ・アリゾナ州のツーソンで春季キャンプを行っているKTは、近辺で同じくキャンプを実施しているハンファ・イーグルスやNCダイノス、SKワイバーンズなどとキャンプの延長について話し合いを行った。しかし、最終的に延長しないこととなった。

(写真提供=ハンファ・イーグルス)春季キャンプでのブルペン投球の様子

野球場や飛行機の問題など、滞在にあたりさまざまな障害が発生するうえに、近隣の地域で感染者が発見されたというニュースが、判断に大きな影響を及ぼした。

KTのイ・スンヨン団長は「現地での野球場確保が簡単ではない状況だ。アリゾナでも新型コロナ感染者が1人確認されたという情報も聞き、帰国すべきと判断した」と経緯を話した。3月5日時点でアメリカの新型コロナ感染者数は合計152人であり、アリゾナ州では感染者が2人出ている。

しかし、アリゾナ州と隣接するカリフォルニア州では、アメリカで最多の51人もの感染者が確認されている。刻一刻と変化している状況なだけに、アメリカ国内での感染が深刻化されれば、現地に滞在する選手たちの安全にも危険が及ぶ。

仮に、韓国へ戻り隔離せざるを得なくなれば、以降のトレーニングも消化できなくなる。シーズンの準備に支障が出てしまうことは間違いない。

海外でのキャンプ延長を決断した球団も

キャンプの日程を延長し、海外にとどまることを決定した球団は、LGツインズ、KIAタイガース、サムスン・ライオンズ、ロッテ・ジャイアンツの4球団だ。

(写真提供=KIAタイガース)フロリダ州での春季キャンプの様子

LGとサムスンが滞在する沖縄県では3人、KIAが滞在するフロリダ州でも3人、ロッテのキャンプ地であるオーストラリアのアデレードが属する南オーストラリア州では4人と、どこも新型コロナ感染者は確認されている。

今や、韓国外だからといって無条件に安全地帯とみるのは難しい状況だ。どの国でも現地ではマスク着用を推奨するなど、万が一の事態に備えている。

新型コロナによって非常警戒態勢を敷かざるを得ない韓国プロ野球の春季キャンプ。事態が収まるまで、気の休まらない日々が続きそうだ。

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