韓国語の校歌が注目集める京都国際高校が、夏の甲子園で史上初の決勝進出を果たした。
京都国際は8月21日、甲子園球場で行われた第106回全国高校野球選手権大会の準決勝で青森山田高校3-2で逆転勝利し、同校史上初の甲子園決勝進出という快挙を成し遂げた。
京都国際は1回に青森山田の2点先制を許したが、6回に逆転した。一死満塁で長谷川颯の右前2点適時打で同点に追いつくと、続く一死一、三塁で服部颯舞の投ゴロの間に逆転に成功した。
マウンドでは先発の中崎琉生が4回3被安打2失点を記録。2番目で登板した西村一毅が、5回無失点の力投でチームを勝利に導いた。
京都国際は来る23日午前10時、関東第一高校(東京都)と待望の決勝を戦う。
京都国際は韓国語の校歌を歌う学校として、韓国でも広く知られている。同校は在日コリアンが通う「京都韓国学園」を前身とし、2004年に学校教育法第1条の認可を受け、現在の「京都国際中学・高校」となった。現在は日本人学生が主に通っている。
また、同校は「東海(トンヘパダ)を超えてきた」で始まる韓国語の校歌を採用している。今回の甲子園でも、勝利のたびに韓国語の校歌が甲子園球場に鳴り響いた。
2021年春には、創部22年で選抜高校野球大会に初出場すると、連日波乱を起こしてベスト4まで進出する新たな歴史も築いた。今度は夏の甲子園で決勝まで進んだだけに、悲願の初優勝に挑む。
そんな京都国際には韓国からの支援も手厚い。
実際、2021年5月には韓国政府の文化体育観光部(日本の文部科学省に相当)とプロ野球を管轄する韓国野球委員会(KBO)が、京都国際高校の野球部に1000万ウォン(日本円=約109万円)相当の物品寄付をした。内容は野球ボールや治療用スプレーなどだ。
また、今年2月末には、韓国プロ野球のKIAタイガースが同校に使用球1000個をプレゼントした。
京都国際の野球部員たちが高価の硬式ボールが足りず、破れやほつれが出るとビニールテープを貼って使うという事情を聞き、KIAのプロ選手たちが使う野球ボールを宅配で渡したのだ。
このようなKIAの寄付に、京都国際の朴慶洙(パク・ギョンス)校長(当時)は、「1000球をご寄付いただきありがとうございます。いただきましたボールは、部員たちの日々の練習で有意義に使用させていただきます」と感謝の手紙を伝えた。
また、「ボールは大変貴重であり、普段から部員たちは古くなったボールにビニールテープを巻きながら再利用しており、実力の似通った部員たちはそれぞれに自主練習として遅くまでバッティングに勤しみ、そこではビニールテープの貼られた古くなったボールがいつも使われておりました。いただいたボールも併せて、今後も部員たち自らを切磋琢磨する道具として大切に使わせていただきます」と、野球部の事情を明かすとともに改めて感謝の思いを表した。
そして、「京都国際はその名の通り、今後も真の国際人を育てる教育の場として邁進してまいります所存です。今後もご指導ご鞭撻のほどよろしくお願いいたします」と伝えていた。
(記事提供=OSEN)
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