国土交通省観光庁が昨年1月16日に発表した、訪日外国人の消費動向を調査した結果では、2017年の訪日外国人旅行者の消費額(速報)は4兆4161億円だった。
国籍・地域別に見ると、1位は中国で1兆6946億円と全体の38.4%を占めていた。2位は台湾(5744億円・13.0%)で、韓国は3位(5126億円・11.6%)に留まった。
同年、訪日した外国人観光客全体の約25%は韓国人だったが、日本で使ったお金は全体の約12%。そして1人当たりの消費額も韓国人は7万円台と、中国人の3分の1にも満たなかったのだ。
そこには理由がある。単純に滞在期間が短いのだ。
ある韓国メディアは、「日本を訪問する韓国人観光客は平均4.3泊で、一度の訪問で1人当たり7万1795円を使っている。他の外国人は平均9.1泊しながら15万3921円を使っている。韓国人観光客は滞在期間が相対的に短いので、1人当たりの支出規模も少ないものと解釈できる」と指摘していた。
たしかに韓国から見ると、距離が近い日本は短期の旅行に最適だ。筆者の知人や友人も、数日間だけ日本に遊びに来るという人がほとんどだ。
興味深いのは、日韓を逆にした場合でも同じ結果が出ているという点だ。
韓国を訪れる日本人観光客は、あまりお金を使わない。
韓国文化観光研究院による2016年の訪韓外国人1万2003人を対象にした調査結果を見ると、韓国を訪れる外国人観光客の使うお金は平均1625ドル(約17万円)だった。
最も韓国でお金を使うのは「中東からの観光客」で、1人当たり2594ドル。以下、中国人(2060ドル)、ロシア人(1783ドル)、シンガポール人(1573ドル)、「香港からの観光客」(1520ドル)と続く。
そして日本人は1人当たり814ドルで、調査対象国で最も低かった。平均の半分ほどという金額だ。
日本人が韓国でお金をあまり使わない理由も、韓国人が日本であまりお金を使わない理由と同じだろう。近いからこそ滞在期間が短く、結果的に使うお金も少なくなっていると推測することができる。
この結果に対して「日本人は“ケチ”」などと報じる韓国メディアもあったが、お互い様としかいいようがないのではないだろうか。
いずれにしても相手国を訪れたときは、日韓の観光客はあまりお金を使わない傾向があるようだ。
だからこそ今回発表された「旅行収支」の結果や過去の調査は、日韓が隣国同士であることを改めて強調しているようにも感じた。