ワクチンと半導体の問題解決を期待されるなか…仮釈放の“サムスン実質トップ”はどう動くのか

2021年08月17日 社会 #サムスン

去る8月13日に仮釈放されたサムスン電子の実質トップ、イ・ジェヨン副会長に韓国財界内外の関心が集中している。イ・ジェヨン副会長は出所後、光復節(8月15日)の連休(8月16日)まで休息を取り、今日から本格的な経営に乗り出す見通しだ。

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8月16日、サムスン電子によると、イ・ジェヨン副会長は過去7カ月間の収監期間に押された経営懸案の把握に注力している。彼は出所後、同日まで続いた連休期間中に自宅で休みながら、いくつかの経営懸案の報告を受けたという。

出所当日も自宅ではなく、ソウル江南(カンナム)区にあるサムスン電子瑞草(ソチョ)社屋を訪れ、経営復帰の意志を表わした。

イ・ジェヨン副会長は、早ければ今週から経営活動を本格的に再開する見通しだ。サムスン電子事業支援タスクフォース(TF)チョン・ヒョンホ社長、デバイスソリューション(DS)キム・ギナム副会長、消費者家電(CE)部門キム・ヒョンソク社長、IT・モバイル(IM)部門コ・ドンジン社長など、主要経営陣は週末も会社に出勤し、イ・ジェヨン副会長に報告する内容と業務を準備したとされる。

コロナワクチンと半導体産業の立て直しに期待

サムスン電子イ・ジェヨン副会長

特に、危機に置かれた半導体産業と新型コロナワクチンの分野で、積極的な役割を果たすことを期待されている。先立ってイ・ジェヨン副会長の仮釈放の論議について、文在寅(ムン・ジェイン)大統領は、「厳重な危機状況の中で、特に半導体やワクチンの分野での役割を期待しており、仮釈放を要求する国民も多い」と述べたりした。

イ・ジェヨン副会長は、まず需給に支障が生じているワクチンを確保するために、全方位の支援に乗り出すものと見られる。8月末から委託生産に入るモデルナワクチンと関連し、サムスンバイオロジックス仁川(インチョン)本社を訪れ、準備状況を直接取りまとめる可能性が高い。一部では、イ・ジェヨン副会長がモデルナとの交渉を通じて、サムスンバイオロジックスが委託生産するモデルナワクチンの物量を韓国国内用に転換するという観測も提起されている。

現場経営も始動をかける。イ・ジェヨン副会長は、サムスン電子の水原(スウォン)本社を訪ね、第3世代のフォルダブルフォン(折りたたみスマホ)の状況を点検し、半導体事業場である華城(ファソン)、平沢(ピョンテク)を現場訪問し、グローバル競争と関連した対応策を用意する見込みだ。

バッテリー分野の投資の動きも可視化している。8月16日のロイター通信によると、最近、アメリカ進出を公式化したサムスンSDIが現地自治体と新設バッテリー工場の建設を議論したという。アメリカ連邦上院議員であるディック・ダービンは8月12日(現地時間)、サムスンSDIが米イリノイ州のノーマルにバッテリー工場の建設を検討していると述べた。

信頼回復のための“相生経営”(地域社会とともに歩む経営)にも速度を出している。イ・ジェヨン副会長の出所前日だった8月12日には、サムスン電子の労使が52年ぶりに団体協約を締結。イ・ジェヨン副会長が2020年5月に、対国民記者会見で「無労組経営廃止」を宣言してから1年3カ月ぶりのことだ。8月11日には、サムスン電子の系列会社ウェルストーリーが独占していた社内の団体給食を外部の中小・中堅メーカーに拡大開放すると発表した。

サムスン電子の関係者は「実質的な相生を拡大するために、中小・中堅の給食業者を対象に行われ、中小企業および社内食堂が所在する地域の業者である場合、加点が付与される。今後、社内給食を段階的に全面開放する計画だ」と語った。

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