急激な「最低賃金上昇」の悪影響か…韓国で65年間続く“手当”が議論対象に

2019年01月07日 社会

韓国では新年に入って、最低賃金の引き上げ問題に続き、“週休手当”の議論が過熱している。

週休手当とは、1週間の規定された勤務日数をすべて満たした労働者に支給される有給休暇手当のこと。韓国では一日3時間、週15時間以上働いた労働者は、週休日に働かなくても、一日分の日当を受けとることができる。例えば、一日8時間、週5日勤務すると、計40時間分の賃金を受け取れる計算になるが、実際はそこに週休手当の8時間分が加わり、計48時間で計算される。

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韓国政府は12月31日、最低賃金(8350ウォン=約835円)時給算定時、週休手当と週休時間を含む最低賃金法施行令の改正案を最終議決した。

韓国経済界と事業主らは、今回の施行令改正について強い不満を表した。最低賃金引き上げに続き、週休手当を最低賃金算定基準に含めると、急激な賃金上昇で経営悪化が懸念されるという理由からだ。

一方、韓国政府は「今回の施行令の改正はこれまでの行政慣行を明文化したものに過ぎず、企業の負担が増えるわけではない」と経済界の不満を一蹴した。最低賃金の上昇で浮上した今回の“週休手当論議”が、悪化した経済状況とかみ合い、両者の攻防はさらに拡大する見通しだ。

韓国経済界は、週休時間の算入を反対

今回の施行令改正案は、給料を時給に換算して最低賃金を満たしているか計算するとき、分母となる勤務時間に週休時間を含むように求めるものである。分子となる月給に対して、分母となる勤務時間が既存の174時間から、35時間増えた209時間になる。相対的に時給が下がることで、最低賃金違反のリスクが高まることになる。経済界が反発する理由だ。

特に小規模な事業主らは最低賃金の上昇に続き、週休時間まで最低賃金法に明文化されると、法違反者が増えて、それを避けるための“分裂雇用”(週14時間だけ働くように何人も雇用すること)が増加すると強く不満を訴えた。憲法裁判所に違憲命令審査を請求するとして、強い反発を予告している。

とある零細事業主は「週休手当を含めると実質的な最低賃金は1万30ウォン(約1030円)となり、4大保険などを考慮すると、1カ月の支給額は200万ウォン(約20万円)を超えることになる」とし、「これは中小企業など正規職の初任給水準で、事業主の立場としては下げることを考えるしかない」と話した。

基本給を減らした奇形的な賃金体系が問題

一方で、大企業や中小企業の不満は、自ら招いた結果との指摘も多い。

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