「言及された3人が動画を見たり、“n番の部屋”に加入したりしたわけではない」
未成年者を含む女性のわいせつ映像を流布した疑いで拘束されたチョ・ジュビン(24)が、フォトライン(取材エリア)でソン・ソクヒJTBC社長、ユン・ジャンヒョン元光州市長、キム・ウン記者などに言及して議論が続いている。
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そんななか警察関係者は「彼らが何か動画を見たわけではない」と、不必要な憶測が拡散されないように遮断した。
現在、韓国で大問題となっている“n番の部屋”事件とは、女性を脅して撮影したわいせつ画像を数十万人がSNSで共有していた事件のこと。組織的なデジタル性犯罪で、20万人以上の有料会員がいたという。被害女性は未成年者を含む70人以上に上る。
チョ・ジュビンは3月25日午前、首にプロテクターを着用した状態でソウル鍾路警察署から出た。検察に送検される前に公開された、最初の姿だった。
数多くの取材陣の前に立ったチョ・ジュビンは、「被害者に言うことはないか」という質問に、わいせつ映像に使用された女性被害者たちではなく、第3の人物について言及した。
チョ・ジュビンは「ソン・ソクヒ社長、ユン・ジャンヒョン市長、キム・ウン記者など、私の被害を受けたすべての方々に心から謝罪の言葉を申し上げる」と述べた。
まるで以前から準備していたように、一人ひとりの名前を出したことが印象的だ。
ソン・ソクヒとは、韓国の衛星放送やケーブルテレビ向けに放送を行う放送局JTBCの社長のこと。同放送局のニュース番組『ニュースルーム』で長年キャスターを務め、一時は韓国で最も信頼されるジャーナリストとされた人物だ。
またユン・ジャンヒョンは光州(クァンジュ)の元市長で、キム・ウンはフリーランスの記者。キム・ウンは、2019年1月にソン・ソクヒ社長を暴行の疑いで告訴した人物としても知られる。
チョ・ジュビンが3人の名前を挙げたことで、なぜ彼が3人に申し訳ないとし、どんな被害を与えたのかが大衆の気がかりとなった。
これについて警察は、チョ容疑者が言及した3人は、“n番の部屋”事件とは無関係であり、他の被害がある状況を把握し、捜査中だと説明した。
警察関係者は、ソン社長とユン元市長、キム記者をそれぞれ異なる事件の被害者として調査していると述べ、「3人が動画を見たわけではないことを伝えなければならないようだ」と述べた。
警察が言及した被害事件は、チョ容疑者が“n番の部屋”を運営する前に、テレグラム(SNS)で麻薬・銃器を売ると騙すなど、多数の詐欺を行った容疑と関連すると思われる。
またチョ容疑者は2019年12月、ネット放送をする記者に接近し、政治家の情報が入ったUSBを渡すとしながら金を強要した疑いも受けているが、その事件がキム記者と関連しているとの分析も出ている。
ただ警察は、チョ容疑者が警察に陳述した内容を土台に、3人が詐欺事件の被害者である可能性について、「捜査中であるだけで、具体的な詐欺の被害が確認されたわけではない」と説明した。
また「名前が挙げられた3人がわいせつ動画を見たり、(“n番の部屋”に)加入したりしたわけではない」と強調した。
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