BTSのJINからSEVENTEENまで、韓国最大の芸能事務所HYBEを代表するアーティストたちが韓国地上波MBCの番組に出演する。
MBCは2023年、HYBEと了解覚書(MOU)を締結して4年間の“冷戦”を終えた。当時、MBCのアン・ヒョンジュン社長が差し出した手をHYBEのパン・シヒョク議長が握り、和解のムードが造成された。
両社は、韓国音楽産業と放送コンテンツ市場の成長に向け、相互協力することで意見を一致させた。これまでMBCは、間違った放送コンテンツ制作の慣行として指摘されてきた番組や授賞式への“出演強要”などをなくすことにした。
放送会社の地位を利用した番組・授賞式などへの出演強要、一方的な制作スケジュール変更の要求、相互協議なしの出演制限措置などが含まれた。
そもそも双方の対立は、2018年にBTSがMBCの年末歌謡祭である『歌謡大祭典』の「大トリ」を担うことができなかったことで始まった。
一般的に『歌謡大祭典』の大トリは、その年の最も人気が高かったアーティストが担当する。当時、BTSが韓国アーティストとして初めて国際授賞式を席巻し、シンドローム的な人気を集めていただけに、SBSやKBSなど他の放送局の歌謡祭でも彼らがエンディングを飾ったが、MBCはSMエンターテインメント所属のEXOを大トリにした。
その後、BTSは2019年12月31日に行われたMBCの『歌謡大祭典』に参加しなかった。同年、BTSは米ニューヨークのタイムズスクエアで行われたABC放送の新年特集『Dick Clark's New Year's Rockin' Eve with Ryan Seacrest 2020』に出演した。
以降、HYBEとMBCは冷戦を続けた。MBCは当時、HYBEグループのGFRIENDやENHYPENを音楽番組『ショー!音楽中心』に出演させなかった。するとHYBEもSEVENTEENの『ショー!音楽中心』ボイコットで対抗した。
最終的に4年後にMBCが先に和解の手を差し出し、HYBEとの見えない葛藤を終息させた。一部からは、HYBEがPLEDISエンターテインメントやSOURCE MUSIC、BELIFT LAB、KOZエンターテインメントなどを傘下レーベルに編入して規模を拡大したため、MBCに打つ手がなくなったからという見方も出ている。
しかし結果的にHYBEアーティストの番組出演が活発になり、MBCの番組にも活気が戻っている印象だ。
HYBEと和解後、初めてENHYPENが『ショー!音楽中心』のステージを飾り、LE SSERAFIMがバラエティ番組『全知的おせっかい視点』に出演、NU'EST出身のファン・ミンヒョンが2023年末に『歌謡大祭典』のMCを務めて話題を集めた。
また、今年6月に除隊したBTSのJINがMBCのバラエティ番組『ゆっくり休めたら幸いだ』の撮影を終えた事実が知らされ、注目を集めた。JINが除隊後初めて選択したバラエティ番組という点でも意味のある歩みだ。
MBCは来る7月5日、SEVENTEENにスポットライトを当てた特集ドキュメンタリー『マジックアワー、ザ・SEVENTEEN』を放映する。同日20時40分から放送される同番組は、2015年にデビューして成長したSEVENTEENとファンが一緒に楽しむ公演文化を通じて、K-POP産業を特集する内容のドキュメンタリーだ。
10thミニアルバム『FML』が2023年一年間、全世界で最も多く売れたアルバムになるなど、世界的な記録を作ったSEVENTEENの9年間に成し遂げた成果を探る。また、日本最大規模の公演場である日産スタジアムの公演を控えていた当時のバックステージの姿と、公演地である横浜などで開かれた様々なイベントの現場も伝える。
これらすべてをMBCで放映するということは、HYBEとMBCが4年も続いた葛藤を完全に払拭したことを意味する。両社は活発なアーティスト出演だけでなく、MBCの社内ベンチャースタートアップ企業である「VLAST」が制作したバーチャルグループ「PLAVE」が、HYBEのファンコミュニティサービス「Weverse」入りを果たすなど、多方面で協力を続けている。
とあるK-POP界の関係者は「両社が大義的な次元で手を握り、公演だけでなくバラティエや時事、教養など様々な分野で協力していくならば、良い先例になるだろう」と話した。
■【写真】SNSでも大バズり!SEVENTEEN・ミンギュの「血管バッキバキ」の腕
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