候補者たちが番組を通じてファンを集め、そのファンたちが直接優勝者を決める。スターが推薦する確かな実力を持つ15人のルーキーがトップ5入りを目指して競い、選ばれた5人が生放送で再び競い合う。
この度、新しく放送するオーディション番組は、“10代”、“ウェブコンテンツ”、“ファン参加型”など、それぞれが差別化を図っているが、一部では否定的な意見も出ている。
『The Unit~アイドル再起プロジェクト』(KBS)や『MIX NINE』(JTBC)など、今年の上半期に放送された番組が視聴率不振に終わり、視聴者がオーディション番組に対する疲労感を訴えているのだ。
心配まじりの声が上がるにも関わらず、オーディション番組は未だにそれ自体が競争力を持っている。
多様な番組コンテンツが溢れる中、大規模な人員や物量が投入されるサバイバルオーディションは、話題性の面で依然として強みを持つ。K-POP界でも『プロデュース』シリーズからデビューしたI.O.I、Wanna One、IZ*ONEだけでなく、前出の『The Unit~アイドル再起プロジェクト』や『MIX NINE』に出演した数多くのアイドルがスポットライトを浴びた。
特に『プロデュース』シリーズは2019年上半期に4度目のシーズンを迎えており、どのような内容で視聴者の心を掴むのかが注目されている。
ある放送関係者は、こう言う。
「依然としてサバイバルコンテンツは魅力的だ。大規模な投資や制作費を必要とするプログラムで制作陣にとってリスクはあるが、その分、成功する可能性も高い。放送が持つ影響力がアイドルという素材と相まって十分な相乗効果を得られる。テレビ局からしても損より得のほうが多く、K-POPのグローバルな人気もやはり、製作に力を与えている」
別の芸能関係者は「一般的にアイドルの発掘やプロデュースには関係者しか参加できないが、オーディション番組は視聴者が投票などで積極的に参加できるため、一緒に作っていく楽しさがある。また、アイドルの過去や人柄など、デビューしてから起こりうる問題を事前に防止できるほか、デビュー組に入ることができなくても番組出演を通じて新たなチャンスが生まれる可能性もある」と説明している。
一方で、ある芸能関係者は警戒する姿勢も見せている。
「芸能事務所で新人を養成する立場からすると、批判的ではないが諸刃の剣のようにも感じる。まだまだオープンな市場でいくらでもチャンスがあり、話題性も高い。しかし、中小の芸能事務所よりも大手テレビ局やプロダクションに依存する支配構造は、長い目で見たときに市場を混乱させる可能性が高い」