韓国Mnetが主催する音楽授賞式『MAMA』(Mnet Asian Music Awards)が12月4日、ナゴヤドームで開催された。
授賞式にはBTS、TWICE、Got7、MONSTA X、SeventeenなどK-POPの人気アーティストたちが出席し、集まった4万人のファンを熱狂させた。
派手なステージの上にたつK-POPアーティストたちは輝いたが、依然として「何のための授賞式なのか」という疑問は残る。
結局“全シーズン操作”が明らかに…『PRODUCE』はみんなを傷つけた
1999年1999年開設の「Mnet映像音楽大賞」を母体とするMAMAは、2009年に現在の名前に改名し、2010年のマカオを皮切りに海外で開催。しかし、海外開催に対するファンの不満が募ったため、昨年は韓国・日本・香港開催を実現しさせたが、今年は国内外の状況により日本のみの開催となった。
ナゴヤドームでの開催が発表されると、非難の声が上がった。韓国内で日本商品の不買運動が行われている状況に加え、8月には「あいちトリエンナーレ2019」で元従軍慰安婦の女性を象徴した「平和の少女像」の展示が中止されるなど、トラブルが続いたからだ。
MAMAは“アジアのグラミー賞”を目指しているというが、それよりは大規模の「KCON」に近づいている。事実上、MAMAのフィナーレを担当したのは香港だが、2017年から日本での規模が増え続けているのだ。横浜アリーナ(1万5000人)、さいたまスーパーアリーナ(2万4000人)を経て、今年はナゴヤドームの全席完売を記録した。
MAMAは授賞式とはいえ、事実上の有料公演とも言える。レッドカーペットの5000円、授賞式は2万2000円という高額の入場券が必要なのだ。授賞式ではアーティストに出演料を支払わないのが慣行になっているため、Mnetは数十億ウォンに及ぶ入場券の販売収益をあげることができた。
今年のナゴヤドーム開催には、貸切など様々な問題が絡んでいるが、これはMnetとその運営会社のCJ ENMの今後の日本事業と無関係ではない。また、今年もいくつかの大型芸能事務所は、MAMAに参加しなかった。
とある音楽関係者は次のように話す。
「MAMAの日本開催は、Mnetにとってベストのはずだ。アジア圏を越えてしまうと、海外ツアーを行うK-POP歌手との問題やステージ費用などが割りに合わなくなる。日本が最適の場所というわけだが、事実上は同局の『M COUNTDOWN』海外ロケや『KCON』より豪華なラインナップを誇るだけで、さほど違いが見られない。とてつもない入場料収益やその他の収益も、アーティストには分配されない」
今回、Mnetのオーディション番組『PRODUCE』の全シリーズが操作されたという事実が明らかになった。番組から誕生したI.O.I、Wanna One、IZ*ONE、X1らのグループはデビューと同時にトップグループとして扱われ、MnetとCJ ENMの様々な事業とイベントの看板グループとして活動した。だからこそ、単純に制作陣レベルで操作が行われたのはあり得ないという意見も出ている。
もちろん、MnetやCJ ENMが韓国の文化産業とK-POPの発展、成長に貢献した部分は大きい。また、企業が利益を求めるのは当然のことだが、“韓流”という名の下に産業を独占し、掌握しているのは問題である。このような現象は『PRODUCE』シリーズとMAMAを通じて如実に現れた。MAMAが“アジアのグラミー賞”を目指すのははたして正しいことなのかを、改めて考えるべきだ。
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