ヒット映画『神と共に』シリーズの原作を手がけた韓国の漫画家チュ・ホミンへの視線が相変わらず冷たい。自身の息子を虐待したという疑いで担当教師を通報したが、逆風は日増しに強まっている。
チュ・ホミンが発達障害を持つ息子の担当教師を児童虐待の疑いで告訴し、裁判中だという事実が知らされてから1週間が経過した。このニュースは7月26日に報じられ、チュ・ホミン自ら言及したことで急速に広まっていった。
彼は当初、「親が教師を責め、そのストレスで児童に腹を立てたという記事の主張は事実ではない。正確ではない事実で、本事件の論点がぼやけているのが残念だ。現在、関連事案は裁判が進行している状況だけに、教師の行為が正当な訓育だったのか、発達障害児童に対する虐待だったのかは、裁判結果が出るまで待っていただければありがたい」と明らかにしていた。
しかし、チュ・ホミン夫婦の対処が過度だったという指摘を皮切りに、特殊教師の事件経緯書、同僚教師と保護者の嘆願書やインタビューなどが公開されたことで、状況は悪化している。指摘の声を受け、チュ・ホミンが取った行動は“疎通窓口”の閉鎖だった。彼はSNSやユーチューブのコメント欄を閉鎖し、ただ「裁判結果を待ってほしい」と訴えているのみだ。
ユーチューブのコメント欄は閉鎖から4日後の7月31日に再開されたが、8月2日までに5万件を超えるコメントが寄せられている。その内容の多くは、チュ・ホミンの過度な対処を指摘しているものだ。
失望感から来る“チュ・ホミン離れ”は数字にも表れており、一週間で約2万人がチャンネル登録を解除している。正式裁判の結果が出る前だが、世論の裁判は終わった様子だ。
状況は刻一刻と変化している。31日には渦中の教師の復職を京畿道(キョンギド)教育監(教育委員長)が宣言し、裁判の状況も続々と伝えられている。
チュ・ホミンの妻が二次公判で強力な処罰を与えてほしいと話したことまでもが伝えられただけでなく、チュ・ホミン夫婦が息子のカバンにこっそり入れていたボイスレコーダーに違法性があるなどの指摘などが続き、「無断録音」による逆告訴の可能性も台頭している状況だ。
韓国では最近、小学校教師が“極端な選択”で亡くなったことで、教育界の問題が浮き彫りになっている。このような状況と相まって、チュ・ホミン夫婦に対する世論は悪化したわけだ。
チュ・ホミンから離れているのはユーチューブの登録者だけではない。テレビ業界も「断り」を入れ始めた。騒動直後に放送されたチュ・ホミン出演のバラエティ番組は、彼のシーンを編集しなかったことで視聴者から批判が殺到。この結果を受け、放送が予定されていた他の番組は中止が決まるなど、損切りが始まっている。
このように、あらゆる方向からそっぽを向かれ、窮地に追い込まれてしまったチュ・ホミンに残っている“カード”はあるのだろうか。まず待つべきは裁判の結果だと思われるが、勝訴したとて、すでにキンキンに冷え切った世論がすぐに変わるかは未知数だ。
また即効性の高そうな方法としては、告訴の取り下げと教師への謝罪ではないだろうか。しかし、チュ・ホミン側の最初の発表から1週間が過ぎていることから、すでに遅きに失した感は否めない。
いずれにせよ、行動を起こさない限り状況は何も変わらないだろう。貝のように口を固く閉ざしているチュ・ホミンの次の一手に注目が集まる。
(記事提供=OSEN)
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