2000年代の開始とともに、日本に沸き起こった韓流ブーム。ドラマで火が付いた人気はやがてK-POP人気へとつながり、今では10代たちも熱狂する“第3次韓流ブーム”が起きているが、気になるのはかつて人気だった“あの人”たちのその後だ。
彼ら彼女らは今、どうしているのだろうか。
シリーズでお届けする意欲企画。今回は敬老の日であることも記念して、韓流時代劇の名作『宮廷女官チャングムの誓い』で欠かせない名脇役だった“ドックおじさん”ことイム・ヒョンシクのその後と現在を紹介する。
日本に韓流時代劇ブームを巻き起こした『宮廷女官チャングムの誓い』。2003年に韓国で放送されると平均視聴率40%を記録したが、日本でも2006年にNHKの総合チャンネルで地上波放送されただけに、毎回楽しみにいた視聴者が多かったことだろう。
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この『チャングム』に欠かせなかった名脇役といえば、“ドックおじさん”ことカン・ドックだった。
チャングムの養父で、宮中の宴会料理を作る専門料理人だが、酒好きで気ままな性格。チャングムをわが子のように溺愛し、彼女の窮地には救いの手を差し伸べようと奔走するその姿は、コミカルだが愛情たっぷりで憎めなかった。
このカン・ドックを演じていたのが、韓国で“アドリブの皇帝”と呼ばれるイム・ヒョンシクだ。彼は言っている。
「私が演じたカン・ドックは、ドラマ全体の潤滑油のような存在。コミカルなだけではなく、庶民の温かさやたくましさを表現しました。カン・ドックというキャラクターが日本でも人気だと聞いて素直に嬉しく思う」
もっとも、『チャングム』撮影終了後の2004年9月には悲しい別れを経験している。長年連れ添った妻が肺がんで死去。3人の娘たちを残して天国へと旅立った。
イム・ヒョンシクはその悲しみを隠し、『チャングム』以降も、ジャンルを問わずにさまざまなドラマで名脇役を務め、バラエティ番組のMCも務めた。
2014年には急性心筋梗塞で入院。その健康状態を心配する声もあったが、元気に復帰して今も現役として活躍している。
1945年12月31日生まれの今年で73歳。『チャングム』放映時には、その円熟味ある演技にほれ込んだNHKから連続ドラマへの出演依頼をもらったとの説もある。
韓国のベテラン俳優の活躍は、日本のシルバー世代にも大きな刺激になっているに違いない。
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