YGエンターテイメント(以下、YG)による新しいコンテンツ『YG未来戦略室』が10月5日、動画配信サービスNetflixを通じて世界約190ヵ国で公開された。
BIGBANGのV.Iを筆頭に様々なYG所属アーティストが出演する同番組は、実際にYG内部で起きた出来事を脚色、“事実よりリアル”なモキュメンタリー・コメディを謳っている。
信用が落ちてしまったYGコンテンツが、復活への第一歩として選んだのは、“セルフ・ディス”。
B級バラエティ番組の先駆者的存在であるプロデューサーのパク・ジュンスと、放送作家キム・ミンソクが、得意のB級感性で大衆とYGの距離を縮めようとしている。
第1話はBIGBANGのT.O.PとV.Iが過去に起こしたスキャンダルを、第2話ではこれまでの世間を騒がせたYGアーティストの騒動に触れた。WINNERを脱退したナム・テヒョン、元2NE1のBOMはサプライズ登場し、そのことを知らされていなかったV.Iが本気で驚く場面もある。
ただ、大衆に新しい面白さやインパクトを与えるには、少し力不足のようだった。
まずYGの顔ともいえるヤン・ヒョンソク代表プロデューサーが登場せず、代役を立てたことには物足りなさを感じる。
また、1人で奮闘するV.Iのワンマンショーという印象も拭えない。彼は「物議を醸した芸能人」というキャラクターで登場するも、自らその設定に慣れず序盤は不自然な演技が続いた。
それに、素材や演出方法、人物関係などにおいては過去にYGアーティストも出演したモキュメンタリー番組『音楽の神』を踏襲しており、既視感を感じさせている。
何よりも、所属アーティストをお笑いのネタとして戯画化していることに、一部から懸念の声も。番組が掲げた所期の目的はある程度達成した様子だが、パク・ジュンスプロデューサーの過去作に比べると、多くの課題が散見された。
最終回で予告したシーズン2では、シーズン1の物足りなさを満たしてくれることを期待する。