事件に足を踏み入れる人が多くなり、その分、多様な形の訴訟戦が相次いで行われる可能性が高くなった。
今年下半期最初のヒット作にして最高の話題作となったドラマ『海街チャチャチャ』で主演を務めた人気俳優キム・ソンホをめぐる暴露戦が数週間続いた中、この事件が法的攻防に広がる可能性が提起されている。
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当初、元恋人A氏に中絶を促したことが暴露されたキム・ソンホの謝罪で一段落するかと思われた事件は、A氏の過去に関する暴露、キム・ソンホの知人らの暴露などが相次いで明らかになり、火種が消えていない状況だ。
これによってA氏の身元情報はもとより、確認しづらいプライバシーまで明らかになり、A氏とキム・ソンホ両方の暴露に乗り出す匿名の存在、悪質な書き込みまで、事件の当事者は増え続けている。
もし、関連事件が法廷に持ち越された場合、泥沼の攻防戦が予想される。10月 29日に放送されたKBS『年中ライブ』では、キム・ソンホの私生活問題と関連して現職弁護士が出演し、事件が訴訟につながる場合の容疑点を指摘した。
これに先立ち、A氏は今月中旬、「俳優Kが結婚を口実に中絶を強要した」という暴露文で、事件を点火させた。まもなくKはキム・ソンホであることか明らかになり、キム・ソンホは10月20日、「失望させて申し訳ない」と公式謝罪し、レギュラー出演を予定していたKBS『1泊2日』から降板した。
しかし、A氏が問題視した婚姻憑藉姦淫(婚憑姦淫罪=不倫罪)、堕胎を促す関連刑法条項は、法が個人のプライバシーを過度に侵害するものとして扱われ、廃止されたり、違憲決定が下された状況だという。
もしA氏が訴訟を起こすなら、中絶を促したことによる精神的・身体的被害に対する民事上の慰謝料請求は可能らしい。
『年中ライブ』に出演した現役弁護士は「過去に、結婚を理由に中絶を勧め、妊娠中絶の手術を受けさせたが、結婚せず、損害賠償請求で慰謝料300万ウォン(約30万円)を認められたケースがある。キム・ソンホにも慰謝料損害賠償請求が認められる」と述べた。
もちろん、キム・ソンホ側もA氏を相手取って名誉毀損による損害賠償請求訴訟を提起することができる。『年中ライブ』に出演した現役弁護士は「A氏の暴露が公益的な目的だったなら違法性がないが、誹謗(ひぼう)と判断された場合、情報通信網法上の名誉毀損で刑事告訴を受ける可能性がある」とした。
名誉毀損罪は刑事告訴と民事的損害賠償請求訴訟の両方が可能だ。さらに、キム・ソンホも私生活トラブルによって出演した番組や広告などに悪影響を及ぼしたため、損害賠償請求訴訟を起こされる可能性がある。
当初、キム・ソンホが出演した10数社の広告主側から違約金請求があった場合、数10億ウォン(約数億円)の違約金を払わされる状況だったが、今のところ、違約金の請求はないという。
しかし、まだ事態が完全に決着していない状況なので、大衆の脳裏から事件が遠ざかる頃に様々な訴訟が起こされる可能性も濃厚だ。
現在、キム・ソンホは沈黙こそが最善の防御である状況だ。しかし、自分が投げたブーメランを全身で受けているA氏も同じ気持ちだろうか。
貝のように口を閉ざした2人に「火事の家を煽る(火に油を注ぐ)」ことは続いている。
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