日本で8月27日に公開される映画『白頭山大噴火』の主演などで知られる俳優ハ・ジョンウが、自身のプロポフォール不法投薬疑惑と父キム・ヨンゴンの“妊娠スキャンダル”という2つの問題を同時に抱え、俳優人生の危機を迎えた。
【注目】ハ・ジョンウの76歳の父親が、39歳年下女性を妊娠させ中絶を強要?
8月10日午前、ソウル中央地裁・刑事24単独(パク・ソルア判事)の審理で、プロポフォール不法投薬の容疑で裁判に渡されたハ・ジョンウの初公判が開かれた。この日、現場には数多くの取材陣が集まった。裁判に先立ってソウル地方裁判所に到着したハ・ジョンウは、黒スーツ姿にマスクをしていた。多少緊張した様子のハ・ジョンウは、「心配をおかけして申し訳ない」という短い言葉とともに法廷に入った。
ハ・ジョンウは法廷で、プロポフォールの不法投薬疑惑をすべて認めた。ハ・ジョンウ側の弁護人は、「被告人はこの事件の公訴事実をすべて認めている」とし、「ほとんどの犯行が施術と一緒になされ、医療関係者によって投薬されたという事実を考慮していただきたい。実際に投薬されたプロポフォールの量は、病院がチャートを分散して記載しており、診療記録上の投薬量よりはるかに少ない点も参照してほしい」と話した。
ハ・ジョンウは最終陳述で、「どれだけ注意深くできず、軽率だったかを痛切に後悔して深く反省している。多くの関心を受ける俳優であるため、慎重にならなければならないのに、同僚や家族に心配をかけて被害を与えた点を、頭を下げて深く謝罪する」とし、「非常に恥ずかしいが、社会に貢献する健康的な俳優となり、この場に立つことがないように、さらに注意しながら生きる。過ちの借金を返せるように、裁判長に善処をお願いしたい」と訴えた。
続いて弁護人は、「被告人がこの事件の犯行をすべて認め、深く反省している。多くの人気と愛を受ける俳優として、誤った判断をした点を心から悔いている点を量刑に参酌してほしい」と話した。別の弁護人も「この事件がマスコミに明らかになったとき現在まで、経済的に多くの打撃を受けた状況であり、俳優としての活動もできず、経済的な損失が大きい。罰金刑を超える刑が宣告されると、ドラマや映画制作に大きな支障をきたすことになる」と付け加えた。
この日、ハ・ジョンウ側がすべての容疑を認めたことで、裁判はすぐに終わった。検察は、ハ・ジョンウに同様の前歴がないこと、投薬の事実をすべて認めたことを考慮し、罰金1000万ウォン(約100万円)と、追徴金8万8749ウォン(約8900円)の追徴金を求刑した。
ハ・ジョンウは2020年、弟の名前でプロポフォールを不法投薬した容疑を受けた。当時、検察は1000万ウォンで略式起訴し、ハ・ジョンウは「皮膚科の治療目的のためにプロポフォールを投薬した。処分を謙虚な気持ちで受け入れる」と心境を明らかにした。
しかし裁判所の判断に応じて、正式裁判に回付された。ハ・ジョンウは裁判のために、4カ所の大手法務法人の所属弁護士10人という大規模な弁護団を設けて万全の準備をした。略式起訴当時、「謙虚に受け入れる」としていたハ・ジョンウが部長判事出身、部長検事出身、警察出身など華やかな経歴の弁護団を設けただけに、彼の最初の裁判に注目が集まった。
また最近、ハ・ジョンウの父で俳優のキム・ヨンゴン(76歳)が、婚姻関係にない39歳年下女性Aさんを妊娠させ、中絶を強要したというスキャンダルを起こしたことで、息子であるハ・ジョンウやチャ・ヒョヌまで世間の関心を集めていた。
Aさんは、キム・ヨンゴンが中絶を強要したと主張し告訴。キム・ヨンゴンは「息子たちも支持してくれた」と、出産と子育ての責任を果たすと立場を伝えた。しかし今後、相続の割合などスキャンダルと関連した複数の問題までイシュー化し、ハ・ジョンウ家族全体が議論の中心に立った。
まさにハ・ジョンウの俳優人生の危機だ。
これまで映画『神と共に』シリーズなどで“1000万人俳優”となり、今では“信じて観られる俳優”と呼ばれるハ・ジョンウの俳優人生には、花道しかなかった。父キム・ヨンゴンの七光りがなくても、自力でトップスターの一人となり、欠点のない演技力とウィットあふれる話術で大衆的な愛情を受けた。
そんなハ・ジョンウがプロポフォール不法投薬疑惑に続き、父親の妊娠スキャンダルにまで巻き込まれた。大きな物議なく、20年近い俳優生活を続けてきたハ・ジョンウは、この危機を突破することができるだろうか。
映画『拉致』『ボストン1947』『夜行』(いずれも原題)など公開される予定の作品が多数あるだけに、ハ・ジョンウが今回の事件をどう乗り越えるのかは、彼の今後の俳優人生の分かれ道になるかもしれない。
ハ・ジョンウの宣告公判は、9月14日に開かれる予定だ。
前へ
次へ