韓国Mnetの新しいアイドルサバイバル番組『Kingdom』(原題)が少しずつベールを脱いている。
東方神起がMCを引き受けることが決まり、『Road to Kingdom』優勝グループのTHE BOYZをはじめ、ATEEZ、Stray Kidsの出演が決まった。さらにiKON、BTOB、SF9なども出演を検討していることがわかった。
異例なことに、MONSTA Xは出演の提案を受けたが、最終的に出演しないと知らせたりもした。『Kingdom』は2021年に放送予定のアイドルサバイバルで、今最も注目が高い番組だ。
『Kingdom』を放送するCJ ENMとMnetは2019年、IZ*ONEなどを生んだ『PRODUCE』シリーズの不正な順位操作によって信頼を失った。オーディション番組やサバイバル番組でK-POP界に新しい旋風を巻き起こしただけに、その反作用も大きかった。
そんななか、慎重に『Queendom』を通じてアイドルサバイバルを再開。競争よりはステージで勝負を行い、これまで注目されていなかったグループにチャンスを与えた『Queendom』の成功は、『Road to Kingdom』につながり、今『Kingdom』へと向かっている。
アイドルサバイバルに対して慎重にアプローチしていたCJ ENMとMnetだが、『Queendom』『Road to Kingdom』という2度の成功によって、自信を取り戻しているようにみえる。韓国国内でのファンミーティングやコンサートはもちろん、海外での活動も困難なコロナ禍も、CJ ENMとMnetに力を加えているといえそうだ。
もちろん話題になるサバイバル番組に出演して自分たちを知らせ、それによって成長することは、アイドルや芸能事務所にとって利益であり、番組側とウィン・ウィンの関係になるだろう。しかしだからといって出演を強要したり、それを口実に他の番組出演に対する暗黙の圧迫が存在したりしてはならない。
というのも、過去『PRODUCE』シリーズがシーズンを重ねながら、出演者と関連した“雑音”が出てきたことと似たような状況が、現在も続いている。『Queendom』に出演したガールズグループの所属事務所は、いずれも新人の後輩ボーイズグループがいたという共通点が偶然のように存在したのも事実だ。
先日放送が終了したMnetの『CAP-TEEN』は、“外部オブザーバー制度”などを通じて透明性と公正性を確保しようとしたが、最後のファイナル放送を控えて自ら汚点を残した。
優勝者を決めるファイナル投票は、審査員の評価(40%)、視聴者文字投票(35%)、『CAP-TEEN』ホームページと10代専用SNS『OHING』を通じた事前応援投票(25%)で進行されたが、『OHING』の投票データ管理プログラムがエラーを起こして、それを反映しなかった。
Mnetは、わずか1票でも間違った結果が反映されてはならないための措置としたが、問題を発見してエラー部分を修正して反映することよりも、それを削除するという安易な方法を選んだ。これは『OHING』を通じて投票した人の応援と真心を配慮しない方法との批判が出たことはいうまでもない。
もし『CAP-TEEN』が高い話題性や人気の番組であったら、そのような方法を選ばなかったはずだ。
2021年もCJ ENMとMnetのオーディションやサバイバルは続く。『Kingdom』はもちろん、新しい日中韓ガールズグループ誕生のための『Girls Planet 999』(原題)をはじめ、様々な番組制作のニュースが聞こえている。
はたしてCJ ENMとMnetは変わっただろうか。
わずか1年2カ月前、CJ ENM代表が公式席上に立って『PRODUCE』シリーズの順位操作を謝罪し、「間違ったことと知っていながら慣行のようにしていることはないか、視聴率だけ追いかけて基本的な倫理を捨てていないかを徹底的に探り、直していきます」と語った言葉が空虚な叫びにならないことを願うばかりだ。
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