BTS(防弾少年団)が「韓服(ハンボク)は韓国固有のもの」と強調した。
最近、米メディア『Cosmopolitan』はYouTubeチャンネルに「BTS Reacts to Their Favorite Fashion Trends | Drip Or Drop?」という動画を公開した。そこではBTSメンバーが好きな衣装について話をした。
そんななか「今までコンサートで着た一番好きな衣装は?」という質問に、SUGAが「『IDOL』が一番好きだ」と答えると、JUNG KOOKやRMも同意した。『IDOL』の衣装は韓服をベースにしたものだ。
動画でSUGAは「韓服は韓国固有の服」とし、RMは「楽だ」、JUNG KOOKは「韓国の文化」と伝えた。SUGAは「韓服と他の衣装をミスマッチしてきたのだが、僕たちに似合っていた」と振り返った。
BTSは韓服を好んで着ることで知られている。毎年、秋夕(チュソク、旧暦8月15日)に韓服を着た写真をSNSに掲載し、韓国の伝統衣装に対する愛情を示している。
ただ一部の韓国メディアは、BTSの「韓服は韓国固有の服」という主張を中国側へのけん制ととらえているようだ。
というのも最近、中国のネット上を中心に「韓服は明国の漢服」「韓服は中国の少数民族の衣装」との声が高まっていた。中国のとあるモバイルゲームでキャラクターに着せ替えるアイテムとして韓服がリリースされたのだが、そこで議論が巻き起こった。最終的にそのゲーム開発会社は、韓服は中国の文化という声を支持し、韓国版サービスを終了した。
それに対して韓国の国会議員が声明を出し、「『韓服東北工程論』も問題だが、ゲーム開発会社の対応はさらにあきれる」とし、「中国ネットユーザーの偽りの主張側に立ち、国内(韓国)利用者に非難だけを浴びせてサービスを終了した」と批判したりもした。
そんな背景があったからこそ、BTSが韓服の起源を強調したという見方だ。「中国のネットユーザーたちに世界的なアイドルであるBTSが“直撃弾”を与えた格好だ」という解説もあった。
今回のBTSの主張は、再び議論を巻き起こすことになるかもしれない。
振り返れば『ニューヨーク・タイムズ』は10月12日、「BTSは朝鮮戦争の犠牲を称えたが、一部の中国人たちが(BTSの発言に)侮辱を検出した」というタイトルの記事で、中国のネットユーザーたちの反応を扱った。
BTSは米韓関係の発展に寄与したとして「ヴァン・フリート賞」を受賞したのだが、リーダーのRMが受賞の感想として「今年は韓国戦争70周年で、私たちは両国が一緒に経験した苦難の歴史と多くの男性と女性の犠牲を忘れてはならない」と述べたことと関係している。
中国の『環球時報』はBTSの発言と関連して、「(米韓)両国が経験した苦難の歴史」という受賞コメントが「中国ネットユーザーの怒りを引き起こした」と報じ、「国家の尊厳を揺るがしており許せない」「BTSが“抗米援助の戦争”(アメリカに対抗して北朝鮮を支援した戦争)という歴史を知らないまま、戦争で犠牲になった中国軍人を尊重せず、中国を侮辱している」など、中国ネットユーザーの反応を伝えたりした。
今や世界的な人気を獲得したBTSだけに、その発言の一つひとつが大きな影響力を持つ。純粋に韓服を好んでいる彼らに特別な意図はないだろうが、はたして。
前へ
次へ