HYBEの試みが、ついに実を結びつつある。
HYBEと米Geffen Recordsが共同で手がけたグローバルガールズグループ・KATSEYE(キャッツアイ)の新曲『Gabriela』が、米ビルボード「HOT 100」および英オフィシャルシングルチャートという世界の主要ポップチャートで旋風を巻き起こしている。
K-POPをベースにしながら、英米圏・中南米圏の情緒を有機的に融合させた、いわゆる“混合主義的アプローチ(hybrid approach)”が世界の音楽市場で受け入れられた結果だという。
KATSEYEは、HYBEとGeffen Recordsが共同制作したサバイバルオーディション番組『The Debut:Dream Academy』から誕生した6人組の多国籍ガールズグループ。今年3月には、インド系アメリカ人のメンバー・ララが自身のセクシュアリティを公表したことでも話題を集めた。6月のデビュー以降、『Debut』『SIS(Soft Is Strong)』『Touch(ft. YEONJUN TOMORROW X TOGETHER)』などを発表し、6月20日には最新シングル『Gabriela』をリリース。世界的なヒットにつなげている。
音楽評論家たちはKATSEYEの成功要因を、次のように分析している。
「前作『Gnarly』に続き、多様な人種・民族的背景を内包するKATSEYEならではの混合主義的サウンドが、ついに本格的な船出を迎えた」(キム・ソンファン/音楽評論家)
「アメリカのリスナー層をすでに取り込んでいるラテンポップの流れを、K-POP的な視点から見事にローカライズした成果」(チョン・ビョンウク/音楽評論家)
『Gabriela』は、現地時間7月1日発表のビルボード「HOT 100」(7月5日付)で初登場94位を記録。前作『Gnarly』は最高90位をマークし、4週連続でチャート入りした実績を持つ。
また、両楽曲は英国のオフィシャルチャートでも健闘。『Gabriela』は6月27日~7月3日集計分の「TOP 100」で42位に初登場し、『Gnarly』は同週74位にランクイン(前週比9ランクアップ)、8週連続のチャートインとなった。
『Gabriela』は、洗練されたポップサウンドにラテンの熱を帯びたアコースティックギターが絡み合う一曲。スペイン語圏の情緒を思わせるギターの旋律、ダイナミックな構成、官能的なエネルギーと成熟したボーカル、そして精緻なパフォーマンスが一体となっている。
評論家たちは、ハイパーポップを取り入れた『Gnarly』に続き、『Gabriela』ではラテンポップをKATSEYE独自の解釈で再構築した点を評価している。6月27日リリースの2nd EP『BEAUTIFUL CHAOS』のタイトル曲『Game Boy』では、ラテン音楽の一要素「ムーンバートン(Moombahton)」のリズムが前面に押し出されていた。
また、『Gabriela』のミュージックビデオは、ラテンアメリカの連続ドラマ「テレノベラ」をコミカルに再解釈したストーリー構成でも話題を集めた。三角関係を描いた歌詞に対し、MVでは嫉妬や対立をユーモラスに表現。感情を誇張した演技や鮮やかな色彩、ドラマチックなカメラワークに加え、ハリウッド女優ジェシカ・アルバのカメオ出演も注目を集めた。
こうした“現地化”された演出や発想が、南米のメディアやファンの関心を引きつけ、KATSEYEのブランディングにも大きく寄与したとされる。
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