多忙やさまざまな理由から、大学を中退したり、長期にわたり休学したりする韓国芸能人は少なくない。
俳優コ・ギョンピョもその一人。彼はドラマ『のだめカンタービレ~ネイル カンタービレ』や『恋のスケッチ~応答せよ1988~』などで知られる人気俳優だ。
最近、YouTubeチャンネル「GreenRoom Studio」に出演したコ・ギョンピョは、ソウル・漢江(ハンガン)公園を訪れ、芝生に座っていた中央大学の学生たちに声をかけたり、気さくな姿を見せたりした。
その後、「僕も当時はああだった。建国大学って遊びの拠点みたいな場所で。飲食街が立ち並んでいて、休講になれば4駅先のロッテワールドに行ってた。だから、勉強なんてできるわけがないんだよね」と振り返ると、「だから僕、まだ卒業していないんです」と突然打ち明けた。
若気の至りに加え、俳優としての多忙な日々も重なった結果、コ・ギョンピョはいまだ卒業しておらず、韓国のナムウィキ(Wikipediaのようなサイト)でも、学歴欄には「建国大学 在学中」と記載されたままだ。
一方で、時間をかけながらも卒業を果たしたスターもいる。コ・ギョンピョと同じく建国大学に通ったBTSの最年長メンバー、JINだ。
1992年生まれのJINは、練習生になる前の2011年、200倍という倍率を突破し、建国大学・映像映画学科に入学した。大学在学中にBig Hit Entertainment(現BIGHIT MUSIC)にスカウトされ、オーディションを経て、2013年にBTSとしてデビューした。
デビュー初期のBTSは順風満帆ではなく、地道な努力の連続だった。JINも音楽番組やイベント出演の合間を縫って勉強を続け、2017年2月、6年越しに大学を卒業した。
ただし、卒業式当日は「GAON CHART MUSIC AWARDS」と重なったため出席できず、代わりにライブ配信アプリを通じて、メンバーたちと“セルフ卒業式”を行い、ファンと共にその門出を祝った。
卒業に時間がかかったのはJINだけではない。女優チン・セヨンは、2012年に入学した中央大学・演劇映画学科を9年かけて卒業している。
16歳で芸能界入りし、2010年のドラマ『大丈夫、パパの娘だから』で女優デビュー。以後も『カクシタル』や『ドクター異邦人』といった人気作に出演し、特に時代劇『オクニョ 運命の女』(2016年)では、MBC演技大賞の優秀賞を受賞した。
『不滅の恋人』『揀択(カンテク)~女人たちの戦争~』(原題)などでの活躍を経て、チン・セヨンは2021年8月、ようやく学業を修了した。
さらに、10年以上の歳月をかけて卒業した女優もいる。韓国版『花より男子』で知られるク・ヘソンだ。
2011年に成均館大学・映像学科に入学したク・ヘソンは、休学期間も含め13年を経て、2024年2月に卒業。その長い在学期間だけでも話題となったが、彼女が注目を集めたのはそれだけではない。
なんと、最優等位(Summa Cum Laude)での卒業を果たしたのだ。Summa Cum Laudeとは、GPAが3.9以上または成績上位1~5%の学生に贈られる称号で、彼女は最優秀生徒として選ばれた。
13年の間に結婚・離婚とさまざまな出来事を経験しながらも、ク・ヘソンは“有終の美”を飾り、その努力と実績に多くの称賛が寄せられた。
芸能界という華やかな世界の裏側で、学びを諦めずに歩み続ける姿を見せるスターたち。「大学卒業」がゴールではないが、たとえ時間がかかっても、遠回りだとしても、自分のペースでたどり着いた「卒業」したスターたちには毎年、尊敬のまなざしが向けられる。
(文=スポーツソウル日本版編集部)
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