毎年、秋夕(チュソク:旧暦8月15日の祭日。今年は9月17日)シーズンが近づくと、韓国の地上波放送局やケーブルチャンネルは先を競って特集番組を出していた。
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バラエティ、ドラマ、ドキュメンタリーなど多様なジャンルのコンテンツで視聴者の目を引くための競争が激しかった。しかし放送局ごとに新鮮な特番を制作していたのは、もう過去の話になった。
新型コロナのパンデミックが勃発し、Netflixなどの動画配信サービスが急成長したことで、競争力が落ちた放送社は新作を出すことをためらっている。
人気を集めたヒット作を“リサイクル”したり、正規編成を止めて似たようなフォーマットの特集バラエティで時間を満たしたりする事例が多くなった。
今年の秋夕連休(9月16~9月18日)の番組に目新しいものはない。それでも人気を集めた2本が編成表を埋めた。KBS2の『シンクロユー』(9月16日18時40分~)と、MBCの『アイドルスター陸上選手権大会』(通称:アユクデ、9月16日18時~)だ。
パイロット版で話題性を検証された『シンクロユー』は、AIが作り出したシンクロ率99%の舞台の中で、声が名刺代わりであるアーティストたちが直接披露する幻想のカバー舞台を捜し出すバラエティーミュージックショーだ。
秋夕特集であるだけに、華やかなラインナップを誇った。ペク・ジヨンの『I Miss You』、Jannabiの『忘れなければならないという気持ちで』(原題)、イ・スンギの『Already sad love』、イン・スニの『T.B.H』、リンの『Lie Lie Lie』、パク・ジェボムの『Love Yourself』でステージを満たす。
MBCも過去に人気を集めた『アユクデ』を編成した。『アユクデ』は、韓国トップクラスのアイドルたちが多様なスポーツ種目に挑戦し、毎年数多くの話題と新記録を作り出した秋夕の代表バラエティ番組だ。
2年ぶりに再び帰ってきた『アユクデ』も大きな変化はないが、ラインナップを強化した。
ZEROBASEONEのジャン・ハオ、NMIXXのソリュン、TWSのシンユ、ILLITのウォンヒなどが出演し、チョン・ヒョンム、チャン・ミンホ、ヨンタク、イ・チャンウォン、カン・ダニエル、NMIXX・ヘウォン、チョン・ドンウォンなど7人がMCとして番組をリードする予定だ。
秋夕の特集番組で新しい試みが足りなくなった理由は、動画配信サービスの急成長のためだ。
動画配信サービスが大衆化され、以前のように地上波放送局が視聴率を主導する時代は過ぎ去った。多くの視聴者がNetflix、ディズニープラス、TVINGのようなストリーミングサービスを通じて、自分が望むコンテンツを自由に選択・消費する方式に視聴パターンが変化した。地上波放送局の競争力が弱まる原因となった。
また、放送局内部の予算問題も大きな影響を及ぼす。特集番組の制作には、かなりの費用がかかる。しかし規模のある制作費が必ずしも視聴率を保障するわけではない。
放送局は莫大な予算を投資する代わりに、既存の番組を延長したり、検証されたフォーマットを安全に編成したりする戦略を取っている。
文化評論家のハ・ジェグンは「放送社が新しい試みと投資を果敢にした時代は過去の話だ。現在、放送社はますます保守的に転じ、新しい試みに消極的だ。放送社は経営難の中で、さらに保守的で身を入れない戦略を取る可能性が高い」と展望した。
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