BTSの振付師として有名なソン・ソンドゥク総括クリエイターが唇をかみしめた。一体なぜだろうか。
怒りの感情がもろに露わになった。LE SSERAFIMのヒット曲『ANTIFRAGILE』のパフォーマンスカバーを披露した練習生たちのハイレベルな実力に、拍手が沸き起こった場でだ。
K-POPファンの間では「ソンドゥク先生」の名で親しまれている彼に、いったい何があったのだろうか。
これは、Netflixで配信中のドキュメンタリーシリーズ『ポップスター・アカデミー: KATSEYEになるまで』第4話の一場面である。
韓国とアメリカを代表する専門家たちは、世界各地から集まった12万人から20人を選んでガールズグループのデビューメンバー候補を選抜し、5つの基準(「ダンス」「ボーカル」「ビジュアルパフォーマンス」「スター性」「態度」)で志願者を評価している。
この五角形が全て完璧なアーティストは非常に珍しい。それでも、一定のレベル以上の実力を備えたメンバーでグループを構成し、バランスの取れたスーパースターとしての潜在能力を引き出すのが、まさに今のK-POPの競争力だ。
このような審査過程を経て、グローバルファンの投票で誕生したKATSEYEは、K-POPから“K”を外し、アメリカでデビューしたという独特なヒストリーを持つグループ。だからといって、単なるポップスグループではない。彼女たちには、目に見えない“もう一つの精神”が根付いている。
それは、「K-POPに対する尊重」だ。
練習生たちが大衆に初めて披露するサバイバルオーディション『The Debut:Dream Academy』(ドリアカ)の最後の月末評価の場は、今デビューしても遜色のない実力を持った練習生たちの自信が充満した時だった。
だが、誰も予想だにしなかったソン・ソンドゥクの冷静かつ率直な一言が緊張感を吹き込んだ。彼は現場の練習生たちを呼び集め、「皆さんには本当に多くの問題があるようだ」と口を開いた。それとともに、「歌に対する解釈も重要であり、アーティストたちが舞台の上でどんな動作をなぜするのか研究することも重要だ」と助言。続いて「断面的に見えるものをコピーしようとせず、本当に深く見なければならない。だが、そのような点が感じられなかったので、さっきは非常に腹が立った。気持ちと姿勢を整えて練習してほしい」と告げたのだった。
HYBEの米T&D(Training&Development)センターのシニアプログラムマネージャーであるMissy Paramoはその後、ドキュメンタリー制作陣とのインタビューで、さらに詳しく説明している。
「ソンがすごく怒っている。子どもたちがK-POPをカバーする時、技術や完成度よりも可愛さや愛嬌を振りまくことに重点を置いていると感じたからだ。それを無礼な態度だと思ったみたい。自身の業であり、これまで多くのことを注ぎ込んだK-POPについて」
ソン・ソンドゥクはこれまで、BTSの『Spring Day』『Blood Sweat & Tears』『DNA』『IDOL』『ON』『Dynamite』などの振り付けを手がけ、K-POPパフォーマンスの概念を再確立した人物と評価されている。
彼は、「パフォーマンスは歌が持つメッセージを表現する領域であり、これはアーティストの叙事の力を加える」という考えで舞台を作るという。音楽が言語の壁を越え、全世界のファンを一つにまとめることが、まさに完成したパフォーマンスが伝えるメッセージに共感するためだという意味だ。
これは、バン・シヒョクHYBE議長が昨年9月『ドリアカ』の記者会見記者懇談会での発言とも繋がる。バン議長は当時、「(KATSEYEが)最高の姿を見せることができるよう最善を尽くす」とし、「彼女たちはK-POPの方法論に従って成長してきたので、K-POPに対する尊重を忘れない」と伝えていた。
また、ソン・ソンドゥクは昨年、あるメディアのインタビューで「韓国のT&Dシステムをアメリカに移植し、練習生たちに多様な部分を教え、成長を助けている。ダンスやボーカルなどの技術的な部分のほかにも、メンタル、健康教育、体力増進など、多くの部分が含まれているが、ここにはHYBEの文化が溶け込んでいる。K-POPの情緒とシステムがアメリカ現地の文化と融合し、互いに学び、発展している」と話した。
(記事提供=OSEN)
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