『ヴィンチェンツォ』らダークヒーロー人気に納得、韓国では“現実の事件”を断罪希望の声が殺到

2021年05月07日 話題 #韓国ドラマ

韓国のソウル漢江(ハンガン)公園で行方不明になり、死亡した状態で発見された大学生ソン・ジョンミンさんの葬儀手続きが、5月5日に終了した。

ソンさんの死は遺族だけでなく一般市民にも悲しみをもたらし、現在インターネット上で大きな問題となっている。ソンさんの死を巡って整然としない状況が大きな波紋を呼んでいる。

このため、韓国紙の社会面に掲載された記事には様々な声が殺到しているが、その中にはドラマ『ヴィンチェンツォ』と『模範タクシー』(原題)について言及する書き込みがしばしば発見されている。これはヴィンチェンツォや模範タクシーのような“ダークヒーロー”が実際に現れ、この事件を解決してほしいという思いからの声だろう。

【インタビュー】主演ソン・ジュンギが振り返った“幸せ尽くし”の『ヴィンチェンツォ』撮影現場

(写真=tvN)『ヴィンチェンツォ』韓国版ポスター

5月2日に大盛況のうちに最終回を迎えたtvNドラマ『ヴィンチェンツォ』は、イタリアン・マフィアのコンシリエーレ、ヴィンチェンツォ・カサノ(演者ソン・ジュンギ)が、“毒を以て毒を制する”ストーリーで、現在放送中のSBSドラマ『模範タクシー』は、弱者の多立場として代行復讐を遂げるタクシー会社ムジゲのキム・ドギ(演者キム・ジェフン)の物語だ。両作品とも悪を断罪し、視聴者に痛快なカタルシスを届ける作品として成功を収めている。

「今の視聴者が望んでいること」

現実で起きた凄惨な事件に対して、韓国市民から前述した2作品が言及されたという事実だけでも、ドラマが人気を集めた要因を改めて推測できる。法という枠組みの中では解決が難しい複雑な事件を明快に解決し、コロナ禍で溜まった鬱憤を吹き飛ばしてくれる爽快な作品が人気を集めたのだ。

今回の出来事についてドラマ関係者は「今の視聴者が望んでいることだ。現実では法や制度的に人々が望むようすっきりと解決できないため、ドラマ“くらい”ではすっきりした結論が出ることを望んでいる」と分析しつつも、「すべてのドラマで現実では不可能な“ファンタジー”を描くべきではなく、最近のヒーロー物の傾向はあまりにも娯楽的な点は見守ること」と付け加えた。

(写真提供=SBS)『模範タクシー』ポスター

そして、とあるドラマ制作会社の代表は「ドラマの存在理由を見ているようだ」とし、「ドラマが現実を生きる人々に心でも大きな力になっているという印象を受けている。多くの事件がドラマのモチーフになるように、今回の事件もまもなくドラマのモチーフになるだろう」と予想した。

すでに今回のソン・ジョンミンさんの事件を見て、昨年韓国で放送されたtvN『秘密の森』シーズン2で取り上げられた事件がオーバーラップするという声も上がっている。

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