韓国最大手の芸能事務所HYBEが傘下レーベルADORとの葛藤を見せているなかで、その火の粉がBTSにも降りかかっている。
現在BTSには、音楽チャートの順位を引き上げるためにアルバムや音源を大量に購入する“買い占め疑惑”から宗教団体との関係まで、様々な疑惑が浮上している状況だ。
先立ってBTSの所属事務所BIGHIT MUSICは4月28日、「最近、BTSの名誉を毀損し、陰湿に攻撃しようとする組織的な動きが多数感知された。また、アーティストに向けられた悪意ある誹謗とデマの造成、虚偽事実の流布、無分別な侮辱、嘲弄の度を超えている」と立場を発表した。
しかし抽象的にはすべての疑惑を否定しているが、具体的な釈明はゼロだ。
BTSファンからは「時間が経てば経つほどデマはさらに大きくなるもの。なぜ口を固く閉ざしているのか、早く収拾してほしい」「自分たちの会社内部で起こったことなのに、HYBEは何も対応していない」「アーティストを保護するのがそれほど難しいことなのか」といった不満の声も聞こえてくる。
現在、最も注目されているのは“買い占め疑惑”だ。その根拠となっているのは、2017年8月にソウル中央地裁が出した判決文だ。
ソウル中央地裁は、自身がマーケティング業務を遂行していた芸能事務所に、「不法マーケティングを暴露する」と脅迫した協力業者代表のA氏に共同恐喝疑惑で懲役1年を宣告した。2審では原審が破棄され、罰金300万ウォン(約30万円)となっている。
その判決文によると、A氏は、HYBEの前身Big Hitエンターテインメントの職員B氏と財務会計チーム長C氏に、「所属芸能人の不法マーケティングに対する資料をすべて持っている。3億3000万ウォン(約3300万円)を送ってくれれば、関連情報をすべて破棄する」「お金を払わなければ関連資料をすべての報道機関とSNSに流布する」といった趣旨のEメールを送り、あたかも自身も同じ内容で脅迫を受けたかのように被害者たちを脅かした。
その結果、B氏は2017年1~2月に計8回にわたって5700万ウォン(約570万円)を送金している。
この事件について裁判所は、Big HitエンターテインメントとA氏が実行したマーケティング行為を「不法なマーケティング」「買い占めマーケティング」と明示した。さらに裁判所は、Big Hitエンターテインメントが“不法なマーケティング”行為でA氏に脅迫の口実を提供したと指摘し、A氏に対する量刑理由を説明したりもした。
これは、裁判所がBig Hitエンターテインメントによるアルバムや音源の“買い占め”があったということを認めていると解釈できる。
そんな判決文が今になって蒸し返されているわけだが、BIGHIT MUSIC側は「すでに2017年に公式立場を発表しており、今も同じ立場」とだけ伝えた。
当時の公式立場では「犯人の恐喝と脅迫で言及された不適切なマーケティング活動は犯人の一方的な主張であり、便法マーケティングは通常のオンラインバイラルマーケティング(口コミ)を意味する」とだけ触れられていた。
どうもすっきりとしない返答であるため、少なくないファンが“新しい立場”を要求しているわけだ。オンライン上には「2017年の立場を探せ?今は時代が変わった。反論できないように立場を新たに出す必要がある」といった意見もあった。
7年も前の判決文が今になって再び問題視されているなかで、HYBEが新しい立場を発表するのか、注目が集まっている。
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