昨年発生したソウル梨泰院雑踏事故で犠牲になった俳優イ・ジハンさんの母親が、息子の誕生日に文章を残した。
8月3日、生前にイ・ジハンさんが使っていたインスタグラムには母親の文章が公開された。
イ・ジハンの母親は「ジハン、お母さんだよ。今日は2023年8月3日だよ。君が生まれた日だ」と話を切り出した。
母親は「実はお母さんはこの日が来ることが怖かった。あまりにも怖くて、必ず来なければならないのであれば、どうかできる限り遅く来ることを切に願った。いや、もう喜べない日なので、どうか来ないことを願った」と綴った。
続けて「ジハン、お母さんは今たくさん泣いている。涙が前を覆って、胸が張り裂ける苦痛が押し寄せてくる。まだあなたがいないことが信じられない。今すぐにでも、お母さん!と言いながら入ってきそうだ」と哀しみをあらわにした。
また、「あなたがとても懐かしくて、あなたの体臭を嗅ぎたくて、あなたの靴下と靴をお父さんが履いている。お母さんは去年の誕生日に、あなたにプレゼントしたカバンを抱えている。それしか私たちにできることがなくて、おかしくなりそうだ」と付け加えた。
母親は「俳優という夢を叶えるために本当に苦労した。太るかと思って食べる物も食べられず、一晩中台本の練習をしていたあなたの姿が浮び上がり、胸を打ちながらお母さんは号泣する」とし、「お母さんもこの世に未練がない。早く君のそばに行くのが私の人生の最後の願いだ。もう一つ願いがあるとしたら、去年の10月28日に戻ることだ。そうなれば私の命が必要ならば喜んであげる」と、深い愛情を表わしたりもした。
1998年8月3日生まれのイ・ジハンさんは、2017年に韓国で放送されたMnet『PRODUCE 101』シーズン2に出演して顔を知らせた。その後、ウェブドラマ『今日もナムヒョンな一日』に出演するなど、俳優として活動した。
しかし、ドラマ『コクドゥの季節』の撮影に臨んでいた昨年10月29日、ソウルの繁華街・梨泰院で発生した大規模な雑踏事故でこの世を去った。享年24歳だった。
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