入隊前まではそれこそ絶大な人気を誇ったが、T.O.Pは大麻使用容疑、G-DRAGONは特別待遇疑惑、D-LITEは所有するビルに違法営業疑惑が浮上するなど、兵役中もトラブルが絶えなかった。
しかも、今年3月にはメンバー最年少だったV.Iが韓国芸能界を揺るがした「バーニングサン事件」に関与していたとしてBIGBANGから脱退するだけではなく、メンバー全員の所属元だったYGエンターテインメントとの契約も解除となり、芸能界から引退した。
そればかりか“V.Iスキャンダル”の火の粉は、YGエンタの創始者でBIGBANGの生みの親的存在ともいえるヤン・ヒョンソク代表PDにも飛び火し、さまざまな疑惑で何度も警察に召喚されたヤン氏はその責任をとってその座からも退いた。
兵役で活動休止状態だったBIGBANGだが、彼らも彼らの所属義務所もそのイメージに大きな傷を負ってしまったことで、「再始動」にも慎重にならざるを得ないのだろう。事実、兵役中に大麻使用容疑で物議を醸したT.O.Pは除隊から3カ月が過ぎた現在も、芸能活動を再開するか否かについて言及していない。
こうしたなかでBIGBANGの今後のカギを握るのは、「G-DRAGON、SOL、D-LITEの3人がYGエンターテインメントと再契約をかわすかどうかにかかっている」と複数の韓国メディアが報じている。
2006年にデビューしたBIGBANGは、2011年と2015年にYGエンタと再契約を結んでいるが、その再契約がなされるかどうかにBIGBANGの今後の命運がかかっているというわけだ。
ちなみにYGエンタは最近、BIGBANGと並ぶ会社の顔だった2NE1(2016年11月に解散)のメンバーだったCLとの専属契約を終了している。2NE1解散後、ソロとして活動していたCLだが、デビューから約10年間身を置いていたYGエンタを離れることになった。
このニュースを知るとBIGBANGの今後が心配にもなってくるが、YGエンタの株価予想をしたハナ金融投資のイ・ギフン研究員は「G-DRAGON、D-LITE、SOLの場合、YGとの再契約可否が除隊後の初のイベントとなる。SM、YG、エイベックスの関係および東方神起の前例などを考えると(再契約の)可能性は高いと思われる」とした。
「BIGBANGの活動再開が現実化されれば、韓国国内の企画社(芸能プロダクション)の中でも潜在力は高い。YGの実績も改善させるだろう」と、証券アナリストの視点でBIGBANGの再始動に期待を寄せているが、はたして。
かつては日本で5年連続ドームツアーを行い(海外アーティスト初)、2013年からの5年間で累計420万5500人の観客動員にも成功したBIGBANG。兵役中にさまざまな問題が起きても、ブレることなく活動再開の日を待ち続けたファンたちのためにも、再び結集して再始動してもらいたいものだが……。
(文=慎 武宏)